いわゆる「お仕事小説」を得意とする津村記久子の、これは真骨頂であり最高傑作!!
最近出たアンソロジー『そういうものだろ、仕事っていうのは』に収録の「職場の作法」も秀逸だけれど、この『ワーカーズ・ダイジェスト』は、本当に、いい。
何がいいって、普通に働いて普通に頑張って生活してる大人に対して、とっても優しいから。しかもその優しさが、「いつか素敵なことがあるよ!」とか「私も応援してるから頑張って!」とか「あなたを支えてあげる!」みたいな、わかりやすく空疎なものじゃない。30過ぎたら、しんどさも理不尽も、自分でそこそこ処理できるやんか、それってサミシイことでも何でもなくて、あんたそれ、めっちゃ賢くてえらいんやで。しかもあんたみたいな人、実はたくさんおるんやで。そう言ってくれる感じの、優しさなのだ。
こういう時だから、本当に、普通に淡々と仕事したり生活したりすることの大切さを、しみじみ感じた作品。