サウンドと活動の幅が広く、過去に傑作もモノにしてきただけに信者が多いHerbert。本作は初めて彼が全曲書いて演奏して歌っている極めてパーソナルなポップ・アルバムとされている。当然、メディアの注目も集めたし聴いた人も多いはずなのに、発売から2ヶ月が経ったにも関わらず、U.S.も日本も誰一人レビューを書いていない(=2010年7月初頭現在)。そう、本盤は褒めるのも貶すのもかなり度胸が要るデキなのですよ。。
メロディと声の印象で言うとくぐもった内向的な作品に仕上がっていて、音の作りでは凝ったこともやっているものの、なんせ肝心のメロディが弱いのが致命的なんですね。(声の方は味があると言えなくもない。)だから、過去の作品で「この人、天才じゃないか!」と思った経験のある人には非常にお薦めしにくい作品なんです。(もっとメロディ感覚に優れてた人だと思ってたんだけど、ポップ・ソングは書けない人だったんだろうか。)まだ未聴の信者に「Herbertがハズしたよ」と言っても反感を買うことはあっても、にわかに信じる人は少ないだろうから、正直にレビュー書くには非常に気が引けるというか。。
個人的には、イーノの「Another Day On Earth」を思い出したアルバムです。あれも音作りは凝っていて信者が絶賛している一方で、素でポップ・アルバムとして聴いた場合にメロディが弱いのは否めない、というアルバムでした。(こっちはあんなに明るくないけどね。)実際、本盤の中でシンセの音が背景を作ってる何曲かは聴き心地も似てますね。
何はともあれ、Herbertの「変化するアティチュード」に価値を見出す方は手にとるべき作品でしょう。僕はダメだったけど、まずは視聴して自分の耳で判断してみることをお薦めします。