ヒトラー暗殺計画を描いた映画。
たぶん暗殺計画に参加した人々の勇姿は他のレビューの方が書かれると思いますので
個人的に映画で一番感心した事を一つ。
この作品に出てくるアドルフ・ヒトラーは覇気のない老人に描かれているのですが
史実でも晩年は多数の病で廃人寸前だったらしく
実権は他の幹部・・・ゲッベルスやボルマンが握っていたそうです。
ゲッベルスがクーデター作戦中に一シーンだけでてくる。
非常に彼らしい冷徹かつ侮蔑した態度で逮捕しに来た男に対応します。
その時、流れたヒトラーの声はまるで亡霊のようで怖かったのです。
すでに国家の趨勢は他者にそして歴史に握られ独裁者が偶像として一人歩きしている・・・。
それが良く表現されていると思いました。
この暗殺計画が成功してもその後の二重三重の権力構造が機能して失敗したことでしょう。
最初から無理のある作戦でした。
それでも戦火の中で死んでいく国民や兵士の為に立ち上がった人々の勇気の物語。
前半のシュタウフェンベルク大佐の経歴は少し説明不足かなと思いましたが
クーデター作戦の緊迫感とサスペンスは見事なほどです。
結末を知っているのに劇場で手に汗を握りました。
あと、面白かったのはクーデター参加者とナチ側の情報戦です。
情報を制するものが支配を握るという事実。
もしもヒトラーの生還情報を完全に遮断できたら、作戦はどうなっていたのかとの
IFを想像することもできます。
歴史ドラマ、戦略ドラマとして非常に完成度は高いドラマです、お勧めの作品。