短編「占い麻雀」と、船上で対戦が繰り広げられる長編とで構成。描き方が少し変わったのは作者のお歳もあるのだろうか。
占い麻雀。犬がいくらお腹を空かせているといっても、麻雀牌を飲み込むだろうか。ワシズが訓練したのかもしれない。犬も、犬が好きな匂いを染み込ませてあるらしい牌も用意しておいたのだろうか。その後どうなったのか気がかりだ。ハヤブサはこれについてはほとんど知らされていなかったようだが。ワシズは占い師のことをどうやって知ったのだろう。最後の笑いは、明らかに彼女を意識している。
炭鉱麻雀を読んだ時も思ったが、最初から終わりまで船上麻雀だけで一冊まとめて欲しかったな。無理にとは言わない。長編を読むとそう考える癖みたいなものだ。作者や掲載誌は違うが、「赤坂対戦」や、「主演」とライバルの登場で始まって、ライバルが去り「主演」が帰っていく某動乱戦(これは麻雀作品ではないが)を読んだ時の名残のようなもの。ハヤブサは「サイ」と聞いて「賽」と即座に分かったのに、モンスター・ハンギングの狂気を見てからは、海の話をしているのに動物たちの演奏会を思い浮かべ、文学さんが本物の甲骨文字に興奮しているのに恍惚状態の女性を連想する、と変な思考に行ってしまっている。相当ショックだったに違いない。
人物紹介に「wiki」を参考にしたような表現が目立つが、これは許容範囲なのか? 読者の評価を参考にしすぎて、数人のキャラを出しづらくしてしまった作品(赤坂対戦もそこに含まれる)に比べればまだいい方だが…。