味わいや香りといった要素を字面で伝えること自体が難しく、
一冊を通して、読者の興味を引っ張り続けるのは大変だと思うのですが、
読者のワインのレベルやニーズはもちろん、
活字を読むことに対する得手不得手にも配慮されています。
本編は「ワインを知る」「ワインを醸す」「ワインを飲む」「ワインを味わう」「世界のワイン」
と、5つのPARTに分かれているのですが、
カタカナが苦手だったり、ただ美味しいワインを飲みたいという人は
PART3の「ワインを飲む」から読み始めるのもいいですし、
PARTの内容も、見開きごとにひとつのテーマを学べるという構成なので、
興味があるページからのつまみ読みもオススメでだったりします。
その内容も、ほどよく余白が取られた本文は平易な文章で記され、
重要な箇所をオレンジなどの色文字、
特に大切な箇所は赤字で色分けすることにより、
視覚的にも読みやすくなるな工夫がされています・・・
が、それでも文章を読むのが、苦手という人は
内容をまとめた「知識check Q&A」だけを読んでも
十分に知識を深めることができるし、
ページ右下に豆知識やアドバイスを書いた「Notes」の小ネタも面白く読めます。
(私はここだけをまとめて読み返しました)
またワインの色合いや香りで表現で使われる果物や花や香辛料など、
各ページに写真や図解、素敵なイラストを使って、具体的に説明されていて、
特に「世界のワイン」で紹介されているシャトーやワイン畑の写真は
思わず、現地で飲みたくなるほどでした。
(写真が必要なところは余さず、贅沢に使っています)
著者はボルドー第2大学ワイン醸造学科を卒業し、
フランス国家認定ワイン醸造士を取得、
フランスや山梨のワイナリーで製造に携わり、
輸入、卸売、小売などの販売シーンや
商品開発、テイスターとワインに関する現場を幅広く体験されているそうで、
「そこで培った深い知識のお裾分け」
のようにも感じました。
ワイン初心者が「とっつきにくい、難しい」と感じていることを
実はシンプルなのだと気づかせてくれたり、
人それぞれの美味しいワインに辿る為の道筋を
いく通りも紹介してくれる、
これっというワインとの出会いがない私にはうってつけの本です。
ワインについて、どれくらいのレベルの人までを対象にしているか、
ワイン初心者の私には測りかねるのですが、
一般消費者はもちろんのこと、
飲食店や酒販店の方のニーズにも
十分応えられるのではないかと思えるほど充実した内容でした。
写真の多さからいっても、
このボリュームで、この価格はリーズナブルですし、
合わないワインで、損をすることがなくなるので、
将来、きっとお釣りがくると思います。