「文学とワイン」というテーマを長年あたためていた私にとって、この
本の発見は一大事であった。
西洋文学にワインが多く登場するがゆえに、私のワインへの憧憬は養わ
れ、20歳になった日から飲み始めたのだが、ほかにもワインと文学に
注目していた人がいたのか!と思って中も見ずに購入。
「聖書、神話、文学をワインで読む」という副題からして何だかカタい
印象を与えるが、開けてびっくり、ちょっと柄の悪い男がしゃべってる
ような調子で、書いてあるのだ。
実はけっこうきちんと調査が行われ、著者もそこそこ文学に詳しいこと
が窺われるものの、「ま、こんな読みもできるんじゃないか?って深読み
な気もするけどな」という感じで文章が進む。
扱われるのは聖書、ホメロス、チョーサー、ボッカチオ、セルバンテス、
など、いわば大物が揃っており、有名な作品が多い。
ワインというものの捉え方、領土の奪い合いによるワイン栽培・輸入・
国民感情の変化などの指摘はおもしろい。
とりあえず、西洋とワインの根深い関係がわかる本である。
時折、ワイン試飲の対談コラムが収録され、ヨーロッパ各地のワインが
紹介されている。
因みにちょっと下ネタもありなため、電車の中で読んでいたら傍に立って
いた男が覗き込んでニヤニヤしていた。