漫画版ワイルド7のリメイクと言うよりは映画脚本を基にしたコミカライズです。
最近は個人ではなくシステムが悪、そして腐敗を産む事を多くの人々が知ってしまった後だけに、フィクションの中だけでも痛快な巨悪退治をストレス無く読めれば嬉しいのですが、達者な橋本氏の絵でも敷居が高い望月氏原作の匂い立つ色気と灰汁を醸し出す事が出来ていません。
旧作のファンの方はそこを差し引いてお読みになった方が良いでしょう。
映画のコミカライズとしては一巻しっかりとまとめて描かれており決して凡作では有りません。
キャラクターデザインも映画のキャストに準じております。
ワイルド7を都市伝説的な存在にして逆に目立たなくする方式は現代風で面白い趣向だと思います。
但し、僅か一週間先行した「ヤングキング増刊 ワイルド7特集号」誌上に本作の巻頭から3/5と言う非常に中途半端な尺を掲載したのは、映画公開とトリビュート漫画を盛り上げる為とは言え、橋本氏の単行本を購入する楽しみを減じており、少々残念でした
*これは少年画報社の2011年12月26日発売、望月三起也氏原作、橋本還氏作画「ワイルド7」のレビューです。
なぜか小学館文庫のノベライズ版「ワイルド7」のレビュー欄にも転載されてしまっています。