地方都市に住み、
容姿、才能、財力のいずれにも恵まれず、
人生に確たる目的もない。
現状に不満はあるが、
それを変える力も意志もない。
そんな日本版ホワイト・トラッシュの若者を描かせたら
右に出るものがない古泉智浩が、
またしてもやってくれました!
第一巻、第二巻を通して主人公・国森則彦が
無軌道な暴力とセックスを繰り返す様子を、
笑ったり身につまされたりしながら
読んでいたら、最後の最後に予想もしなかった
強烈な一撃が待っていました。
国森が作中ずっと練習していた「ブラジリアンキック」が
眉間にガツンと決まったような衝撃。
それまで積み上げられてきた乾いた笑いややりきれなさが
一気に瓦解する、あの神がかった見開きページ。
全部この一撃のためだったか!とうなりながら、
気がつくと涙があふれていました。
この必殺の一撃を打つために、作者はこれまで明かさなかった
ある秘密についてカミングアウトし、身体を張って描いている
と思います。
古泉智浩が古泉智浩を超えた感動的な作品として、
ながく記憶に残りそうです。