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ワイルド・スワン(上) (講談社文庫)
 
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ワイルド・スワン(上) (講談社文庫) [文庫]

ユン チアン , 土屋 京子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (44件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

心に残る生涯の出会い、ノンフィクションの最高傑作
われわれの隣にかくもすさまじい歴史を生きた人々がいる。こんなにも悲しく、そしてすばらしいノンフィクションが現代にあった。人生において、あと何度こんな作品にめぐりあえるだろう。

--このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

十五歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう一九二四年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。

登録情報

  • 文庫: 354ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/3/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062756609
  • ISBN-13: 978-4062756600
  • 発売日: 2007/3/6
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (44件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 醜い、酷い、強い、美しい, 2006/3/9
日本の侵略、国共内戦、そして文化大革命という、生きるにはあまりにも過酷な時代を経て今に至った中国。その時代をリアルに、力強く生き抜く3世代の女性の壮絶な人生体験に関する手記であり、ノンフィクション小説の大傑作といってよいだろう。

戦争を体験したこともなく、生きることが当たり前の社会に育ってきた私にとって、こんなに壮絶な世界がごく間近に現実に存在し、そこで必死に生き抜こうとしている人々がいたということは、体が震えるほどの衝撃だった。今の日本に生まれたことがどれだけ恵まれたことなのか、自分の属する社会では当たり前のことである「生きる」ということが実はどれほど貴重なことか、また、人間というものは環境が変わればかくも残酷になれる生き物なのか、権力が濫用されたときいかに恐ろしい事態が発生するのか、などなど他にもさまざまなことを考えさせられた。

この物語はただ単にその時代の悲惨な情景を描いただけではない。厳しい状況におかれても自らの信念を貫く著者の父親、また、苦しい時代だからこそ輝く優しさ、家族愛。人は醜くもなれるし、また、美しくもなれるということを教えてくれた。

この話の舞台は中国だが、どの国、どの地域に住んでいようとも当てはまる、人間誰しもが持つであろう普遍的な部分に触れる作品だと思う。ぜひ皆さんにも読んでほしい。
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5つ星のうち 5.0 トップの失政がもたらしたものとは?, 2005/7/21
By 
 中国人女性作家によるノンフィクション。祖母と母と著者本人の三代の生活をとおして、中国のありのままの歴史を伝える。

 抗日宣戦や、共産党と国民党の内戦の中に生きた祖母や母の時代も凄まじかった。それよりとんでもなかったのが、毛沢東による「大躍進」や「文化大革命」で大混乱に陥れられた著者本人の時代だ。

 毛沢東時代の描写に、北朝鮮の金正日体制を連想する方も多いと思う。つい最近の1970年代まで、中国ではそれに近い政策を敷いていたのだ。
 大躍進の失敗で辛酸を舐めた毛沢東は、あえて国民を混乱に陥れることで自分の身を保つという考えで「文化大革命」に走った。文化大革命は、カードゲーム「大富豪」の「革命」(大きな数字が突然弱者になる)を中国全土で本当にやってしまったようなもの。学校で教鞭をとっていた教師が突然教え子から辱めを受ける。共産党幹部も部下たちから非国民としての謂れのない汚名を着せられ、次々と殺されていく。毛沢東はこうした人災を自分の保身のために演出したというのだから、空恐ろしくなる。独裁的な組織の場合、トップの意思判断が乱れるといかに下にいる多くの人々が混乱するか。その典型とするにはあまりにも規模が大きすぎる。

 中国の大混乱期には、会議の外国人も中国国内に行くことはできず、国民も情報を統制されていたから、その全体像を語れる人物はほぼいないらしい。著者は一中国人として、その生活レベルから見た中国を、家族との絆を軸にありのままに伝えている。中国全体がどんな状況だったかを把握するにはそれだけで十分だ。

 読後には清々しさも残った。かつての体制がいまは崩れているということへの安堵感からくるものがひとつ。それから、造り出された憎しみあいの時代の中でも、信念を曲げずに公平・正義・優しさ・愛情をもって生き抜いた人もいたということからくるものだ。とりわけ著者の父の生き方に、それを強く感じた。

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33 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 20世紀中国の女性史, 2005/11/23
中国で未だに禁止され続けているWILD SWANGSは個人の視点からみた中国の歴史の本だ。

纏足を強いられた最後の世代の祖母、共産党の影響で女性として労働するようになった母、そして、UKへの留学をかなえる著者。同じ世紀に行きながら全く異なる体験をする女性たちの歴史小説。強烈な共産党と毛沢東への批判が込められており、それが理由で中国では売られてないようだ。しかし、海賊版が当然のように出回る中国では、独自の翻訳版が出回っていると2003年の改訂版エピローグにある。その新しいエピローグでは著者のUKでの生活、留学生のための思想教育、母のUKへの旅行とこの小説ができたいきさつなどが詳しく書き加えてあり、新しいほうを購入することを薦める。

毛沢東に関する本が発売されたばかりで話題に尽きない著者で、Berkeleyで公演を行ったばかりと聞く。中国を知る1つの材料として欠かせないものだと思う。
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