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ワイマルのロッテ (上) (岩波文庫)
 
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ワイマルのロッテ (上) (岩波文庫) [文庫]

トーマス・マン , 望月 市恵
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 337ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2002/7/9)
  • ISBN-10: 4003243420
  • ISBN-13: 978-4003243428
  • 発売日: 2002/7/9
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
トーマス・マンの小説が読みたく、文庫になっているものだったので、内容も確かめずに、即、購入しました。あらすじは至って単純ですが、上下巻に分かれています。何故なら、ほとんどが会話だからです。登場人物はみな、まるで雄弁な政治家のように修辞を尽くし、延々と喋り続けます。ここまで書けるマンには恐れ入ったという感じですが、受験で国語の勉強をしているのならいいのかもしれませんが、いささか疲れ果てます。これがマンの最初の小説であった人なら、他の作品を読むことはないかもしれません。こういう僕も一度、途中で放り投げてしまい、数年経って、再び手に取った次第です。
話しは、「若きウェルテルの悩み」のヒロインのモデルになったロッテが、ゲーテと、彼が名声を得て、幾年か経った後、会食したという史実が基になっていて、フィクションを交えながら、語られており、実在した人物が登場します。人物はまるで浮き出てくるように鮮やかに描かれています。人物への考察もかなり深く、マンのゲーテへの心酔ぶりが窺がわれます。実在の人物を書くというのは、人物設定が始めから出来てはいますが、創造で勝手に書くことが出来ない分難しいのではないかと思いますが、魔術師マンは、自信満々のようで、何と、ゲーテの空想すらも著述しているという大胆さです。ここまで書ける人はまずいないでしょう。ですが、解説には、自由人ゲーテを書くことにより、当時のナチス・ドイツを批判したと書いてありますが、僕にはゲーテファンであるマンがロッテのワイマル訪問というファンにとってファンタスティックな史実に想像を膨らませ続けていて、それが頭の中で大きくなり、文字にせずにはおれなくなって書いたような気がしてなりません。確かにゲーテ賛美により反ナチという政治的側面はあるのかもしれませんが、この小説は人に読んでもらうというよりも、マンが自分自身の愉しみのために書いたような気がしてなりません。マンは文章(言葉)をまるで玩具のように操り、メルヘンの世界に没頭し、楽しそうですが、それに付き合わされている僕たちはどうなのかなと感じました。文学的に唸らされはしますが、楽しんで読めるかというと疑問です。
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10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
トーマス・マンって病みつきになります。何ていうか文章にどうしようもないリズムがあって、嵌ります。初めに「ヴェニスに死す」みたいなまるでバチカンのローマ法王が被っている宝石だらけの金の冠?みたいな作品から入っちゃうとちょっと第一印象がアカデミックになり過ぎて、後があれ?こんな人だったの?みたいな感じになるので、「魔の山」か「ブッテンブローグ家」から入るのがいいんじゃないかと思いますが、この「ワイマルのロッテ」はその次ぐらいに読みやすいかな?

この三つは運良く岩波文庫でしかも望月先生の素晴らしい日本語で読めるので、日本に生まれて本当によかった!みたいな気になります。「マンの文章は、海に似ている。海の波が岸べに打ち寄せては、戻っているざわめき、事実マンは海を愛した作家であった。」

最高の賛辞。そして作家を100%言い尽くした前人未踏の境地、至言の中の至言です。この後書きを英語に翻訳して出版してくれる人はいないのか?
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By raywayne トップ500レビュアー
形式:文庫
私は今回初めてこの作品を読んで、少々面喰らいました。何しろ最初の300ページくらいは、物語がとある旅館の一室で展開し、全く外に出て行く事が無いのです。物語と言っても、シャルロッテ・ケストナー(ゲーテの"若きウェルテルの悩み"のロッテのモデルとなった実在の女性)を尋ねてきた人々が、ゲーテについて各々の意見を披露する、といった程度のものです。

ゲーテの秘書の目から見た彼の天才ぶり、余りにも偉大な父親を持ってしまった息子ゲーテの苦悩と誇り。その息子と、愛と言うよりは慈悲の心から結婚をしようとしている女性の親友の嘆きーなどなど。天才というもののすごさと、周りにおよぼす災禍。下巻に入って、やっと当のゲーテが登場して、日常の悩みや過去に付いて色々と繰り言をいっています。どうも、これは晩年ゲーテにいれ込んでいたトーマス・マンの"ゲーテとは何ぞや?"という自問自答のような気持ちから書かれた作品のような気がするのですが。

もっとも、ゲーテの生涯に付いて随分細かく調べ、実話と虚構を巧に織りまぜる手腕はすごいと思いますし、マン一流の多角的な観察眼よってとらえられたゲーテ像は魅力的だし、何よりその天才と周りの人々の齟齬ぶりが、あたたかいユーモアで捉えられているいる辺り、とても面白い小説だとは思いますが、やはり、これからマンの小説を読んでみようという人にはお勧めしがたい作品だと思います。月並みな意見ですが、同文庫におさめられている、トニオ・クレーゲル""ベニスに死す"辺りから入るのがいいと思います。また、"トオマス・マン短編集"にも優れた作品が多くおさめられていると思います。

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