2000年に初版が発行されて後、それほど日時が経っていないと思われるのに、腰巻には「ご要望にお応えしてアンコール復刊」とある。
よくぞ、復刊してくれました。
岩波の案内には「旅行者必携」とあるが、ポッと出の旅行者には到底真似の出来ないレベルの高い「旅」をこの新書は要求する。旅行者に相当の基礎知識を要求する。逆に、本書に登場する古今の知識人の遺産に触れてからローマを散策するのとそうでないのとでは、自ずと「旅」そのもののレベルが違ってくると思われるのだ。
見知らぬ町を散策するには、地図を持っていると便利だろう。しかし、本書に登場する地図は、並み大抵の地図ではない。16世紀後半の破格の教皇シクストゥス5世、彼がその5年間の在位期間に精力的に成し遂げたローマの都市計画、河島先生はそのときの都市計画図を何回も引用し、さらに徴税台帳用の地図まで登場させ、「今の」ローマをこれらの地図と照らし合わせては、歩く、歩く、どんどん歩く。
本書に書かれているローマの名所・旧跡をじっくりと味わおうとすれば、少なくとも一ヶ月は欲しいところである。それだけの余裕を持って旅をしてはじめてローマの永遠性を確かめる事ができるのだろう。
余談だが、細かな小路まで載っているので、「地球の歩き方」より詳しいかも・・・・・。