ギリシア悲劇となると比較的日本では知られているし、大学等で学ばれることもまあ多い。しかしローマ喜劇となると、なかなかその機会は多くはないのではないか。本書は「プラウトゥス」と「テレンティウス」という二人の作品を詳細に紹介し、現代にも通じるコメディ的な要素、そして演劇理論について考察し、明らかにしていく。さらには現代日本の演劇との並行性についても筆は及ぶ。
紀元前という古い時代のものであるが、地中海のさわやかな気候のもと、明朗快活な彼らが花開かせた人間性が見せる、、現代のわれわれにも通じるユーモア感覚、普遍的な演劇技法やメディア、そして後の西洋文化への影響など、これまであまり知らなかったものに光を投げかける啓蒙的な新書である。
いってみれば、全ての古代喜劇がローマに流れ込み、それ以降の喜劇はローマから流れ出たということなのだろう。