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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
皇帝もツライよ・・・,
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レビュー対象商品: ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国 (単行本)
3世紀70数年間のローマ帝国を描く。この間に擁立された皇帝は22人(!)。その大部分が謀殺という形で任期を終わった、という。残りも戦死、疫病死、虜囚の末の獄死と、一人を除いてまともな死に方をした皇帝がいない(“まともな死にかたをした”という一人は75歳という超高齢で就任し、遠征途中に老衰で死んでいる)。皇帝が終身制であったため皇帝に対する不信任は謀殺という形をとって行われたというのだ。中国の皇帝たちや後代の欧州の王政と比較した場合のローマ帝国の特異な点といえよう。しかもこの皇帝たち、就任したからといって首都ローマで贅沢におぼれる余裕もなく、各地の蛮族の侵入や、隣国との争いに明け暮れ、まさに東西奔走している。その挙句に失敗は死をもって購われたというのだ。皇帝もツライよ・・・。また必ずしも世襲でなかった点も特徴としてあげられるだろう。
著者はこの皇帝が次々と代わることによる政策の非継続性が、その後の国力減退の要因のひとつだと、論じる。またローマがローマであった特色を失わせるような施策、たとえばローマ市民と非市民の区別をなくす(カラカラ帝)、元老院と軍事の分離もあげている。 いよいよ帝国が変容・斜陽化していく姿(とはいえこの後、帝国は百年超保っているが)を読み取っていきたい。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
日本の衰退をどう考える?,
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レビュー対象商品: ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国 (単行本)
新聞や週刊誌の広告で最近よく「終わりの始まり」という見出しを見かけるが、ローマ人の物語11巻のタイトルがそうだった。塩野七生が創作した言葉ではないが、最近の流行のきっかけは塩野氏に違いない。第11巻では衰亡の予兆が見られるだけだったが、第12巻の本書で語られる紀元211年~284年に、ローマ帝国はいよいよ衰亡期を迎える。 ローマ帝国の皇帝は絶対専制君主のように安泰だったわけではなく、実力が伴わなければ「不信任」を突きつけられる可能性を常に抱えていた。終身任期の皇帝は「不信任」=「殺害」であり、この73年の期間に就任した22人の皇帝のうち14人が謀殺され2人が自殺している。残り6人のうち戦死・敵国での死亡・事故死が4人おり、ふつうに死を迎えることのできた(病死)皇帝は2人しかいない。 危機の要因は種々考えられるが、それまでの興隆期や安定期に全く見られなかった問題は少ない。なぜ、この時代からは同じ問題を克服できなくなったのか。その原因を解明するために、著者は22人の皇帝の事跡を根気強くプロットしていく。 この時期に顕在化した唯一の新しい危機要因として、著者はキリスト教の広まりを挙げる。 いつもながら著者自身はあくまで当時のローマ帝国のことを述べているのだが、読者は思わず今の日本の社会情勢と比べて考えてしまう。また、それを狙って書いているようにも思える。少子高齢化による長期低迷傾向にある日本の現状を、著者はどのように見ているのだろうか。聞いてみたい。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本当に調査不足かな…?,
By j-boy_fbeat (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国 (単行本)
あいかわらずの塩野節に感心しながら一気に読んでしまいました。五賢帝の絶頂期から100年でここまで落ちてしまうのを早いと見るか、遅いと見るか。翻って現在のPax Americanaが何年続いているのか。いろいろ考えさせられます。また、最後のキリスト教考察は、僕には合点の行く点が多々あって刺激的でした。調査不足ではないかという指摘が別のレビュアーの方からありましたが、必ずしもそうともいえないのではないでしょうか。たとえば聖パウロと『使徒行伝』に関する指摘について、問題の個所は326ページだと思うのですが、文章は「聖パウロが『使徒行伝』中で説いたように」です。確かに聖パウロが書いたといっているようにも読めますが、塩野さんの意図は「『使徒行伝』の中に登場した聖パウロが述べたように」かと思います。
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