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ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり
 
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ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり [単行本]

塩野 七生
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

五賢帝時代の掉尾を飾り哲人皇帝としても名高いマルクス・アウレリウス。後世の評価も高い彼の時代に、既に衰亡への萌芽は見えていた――従来の史観を覆す新たな「ローマ帝国衰亡史」が今始まる。

 本書で語られるのは、五賢帝時代の掉尾を飾り哲人皇帝として名高いマルクス・アウレリウスから、セプティミウス・セヴェルスまでの治世です(紀元2世紀末から3世紀初)。タイトルのとおり、いよいよローマの衰亡が描かれていくことになります。
 ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を初め、ローマ帝国の衰亡は五賢帝時代の終焉とともに始まったとする史観がこれまで主流でしたが、本書ではこれに異を唱えています。ローマが絶頂を極め、後世の評価も高いマルクス・アウレリウス帝の政治を、第IX巻で扱ったハドリアヌス帝やピウス帝、さらにはユリウス・カエサルとも対比させ新たな視点で検証すると、ローマ衰退への道は既に敷かれ始めていたということが明らかになるのです。
 指導者である皇帝たちの資質の変化や、国内の階層間の対立、そして帝国を外から脅かす異民族の存在など、さまざまな要因が作用して、帝国はゆっくりと没落への階段を降りていきます。ついには、マルクスは戦地で没し、その息子コモドゥス帝は怠惰に陥り暗殺され、続く時代では帝国を守ってきた将軍たちが割拠して帝位を争うという、「黄金の世紀」では考えられなかった混乱へと突入していきます。
 永遠に続くと思われた右肩上がりの時代を終え、新たな時代へと踏み入ったローマ帝国。その指導者たちの迷いと奮闘ぶりから浮かび上がってくるのは、「矜持」を中心に据えた新しい指導者論です。同じように混迷と不安に覆われている現代の日本にとっても、彼らの生き方から学ぶことは多いに違いありません。
 「ローマ人の物語」全15巻を時代ごとに三つに区切ると(ローマ建国からユリウス・カエサルまでの「第一期」、アウグストゥスによる帝政開始から帝国の絶頂期までが「第二期」)、この巻は「第三期」の始まりと言うことができます。第一期や第二期のローマ帝国を常に視野に入れて叙述される本書は、「ローマ人の物語」の導入篇としてもふさわしい内容であると思われます。

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ優れた哲人皇帝の時代に、「帝国の衰亡」は始まったのか。既成の歴史観に挑む塩野七生版「ローマ帝国衰亡史」がここに始まる。

登録情報

  • 単行本: 351ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/12/11)
  • ISBN-10: 4103096209
  • ISBN-13: 978-4103096207
  • 発売日: 2002/12/11
  • 商品の寸法: 20.2 x 15 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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By waves
形式:単行本
13巻「最後の努力」を読んだ後、11巻の「最後の努力」を戻ってみた。時代はまだローマ全盛期とされる五賢帝の時代。しかし塩野さんは五人目のマルクス・アウレリウスを「賢帝」とは評価していないようで、この前の時代にあたる「賢帝の世紀」とは別巻にしている。ただ3世紀から2世紀に戻ってくると、随所にローマらしさ、ローマらしい強さやしなやかさがちゃんと残っていることに気付く。

ゲルマン民族の大移動の予兆ともいえる動きが始まり、東方ではパルティアが衰退していったこの時代、マルクス・アウレリウスは弱き心を叱咤しながらドナウ河畔で戦い、そして夜には一人自省する。現代で言えば、ブログやツイッターを書き連ねるようなものだろう。良き心は充分に持っていたのだろうが、残念なことに武将としての資質には欠けていたようで、10年かけてもドナウ河戦線を収めることができなかった。そして何より、資質を冷静に推し量ることがないまま長男を後継者にし、死後10年の混乱の結果、軍人皇帝時代を導くことになった。それらがローマ帝国の「終わりの始まり」とされる所以だろうか。

中国では秦漢王朝の最後、後漢の滅亡期にあたるこの時代。ローマ帝国はまだ充分に力を保っていたが、セヴェルス帝期以降は随分と違った色合いになっていく。その責任を軍人皇帝に押し付けることは簡単だが、根底にはローマ本国人たちの気力の低下があったことは、塩野さんも本文中で指摘している。この後を読み進むのは、ちょっと気が重い。
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形式:単行本
皇帝により任命された司令官というものは、「何であいつなんだ!」と言われても、「仕方ないじゃないか、皇帝が決めたことなんだから!」と言えるのだろうが、いくら有能でも、昨日までの同僚が突然、自分で手を挙げて、訳のわからないまま皇帝になったのでは、「何であいつでないといけないのか!」という「存在理由」が見あたらない。
迷走を始めたローマ帝国でも、混乱を収束させるべく、有能な軍人出身の皇帝が帝位につき、期待通りの働きをするが、彼らは、たびたび、実にあっさりと部下によって殺されてしまう。
つまり、彼らは軍人としての能力には敬意をもたれていても、皇帝して敬意はなかった・・・、つまり、これこそが、「何であいつなんだ!」ということへの答え、「存在理由」だと思う。
では、皇帝になる為の「存在理由」とは何か?と言えば、それが「血縁」だと。
「何であいつなんだ!」、「仕方がないじゃないか!皇帝の娘と結婚したんだから!」というものである。

権力者に「権威」を与えるためには、皆が納得する「存在理由」が必要だと考えれば、ローマ皇帝の「血縁」に代わって、今のアメリカ大統領にある存在理由は何か?
言い換えるならば、「権力を持つに当たっての正当性」は何か?といえば、それが、「選挙」なのだと。
すなわち選挙とは、単に一番有能な人を選ぶだけの行為ではなく、選ばれた人に、「なぜ、あいつなんだ!」という正当性を与えるものでもある・・・ということに思い当たった。
だが、ここで、また、壁にぶつかった。
ローマ世界には、選挙という概念が存在しなかったわけではないからである。
となれば、なぜ、ローマ人は皇帝を選挙で選出することをせず、正当性の担保を血縁にのみ頼ったのか。
これは、この時代あたりから、ローマの元老院という物があまり機能しなくなってきていたことが大きいのだろう。
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形式:単行本
 何故五賢帝の最後の一人、哲人皇帝としても名高いマルクス・アウレリウスの記述から始まるこの巻。
 その理由がよく分かります。
 通説に喧嘩を売ってるというほどではないにしろ、独自の視点で書かれているのがやはり面白い。
 塩野七生独自の視点は皮肉がこもってはいるのだけど、それなりに暖かみがあります。
 もっとも、本当に無能な人物に対しては、手厳しいのがさすが。
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