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サブタイトルの通り、主役はハンニバルです(登場は第4巻ですが)。
アレクサンドル大王の後継者とも言える、この軍事の天才は、父の代からのライバル、ローマを倒すために一生を捧げます。
有名なアルプス越え、ガリア人の懐柔、ローマ同盟国の切り崩し、斬新な戦法の導入・・・敵地ローマにあっても百戦百勝のこの天才にローマはどのように立ち向かったのかという点が最大の見所です。
また、クライマックスである、天才ハンニバルvs若きスキピオの対決は鳥肌ものの迫力です。
さらにこうした戦記としてのおもしろさに加え、最終的にローマが勝利を収めた理由の分析が興味深い。第1巻から読んできた方には非常に納得できる説明ではないでしょうか。
宿敵であるハンニバルからも学び、学んだことを消化して「ローマ化」し、さらに成長を続けるローマの底力には心底敬服してしまいます。
「勝利と正義は違う」として、武力でうち破った昨日までの敵を同盟国として遇していくローマの政策は、まさに「北風と太陽」の太陽政策といえるでしょう。
今後ローマがどのように拡大していくのか、そして何故衰退し滅亡することとなるのか、もう先を読まずにはいられません。
フランスからアルプスを越えてイタリア半島に攻め入ったカルタゴのハンニバルという稀に見る天才軍略家による第二次ポエニ戦争が圧巻。この第二次ポエニ戦争はスペインを植民地としたハンニバルによってカルタゴ本国には無断で起こされた。追認するカルタゴ本国。暴走する現地駐留軍とそれを制止できない本国という構図は、さながら戦前日本の満州事変における関東軍と日本政府との関係を思わせる。
29歳で戦争を始め、本国からは十分な支援を得られないまま16年間!も敵国内で活動を続けたハンニバルの精神力、行動力、統率力には驚嘆させられる。
判官びいきでどうしてもハンニバル側を応援したくなるが、この亡国の危機に対するローマ側の対応もまた注目してみたい。
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