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ローマ人の物語〈37〉最後の努力〈下〉 (新潮文庫)
 
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ローマ人の物語〈37〉最後の努力〈下〉 (新潮文庫) [文庫]

塩野 七生
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

紀元324年、ライヴァルのリキニウスを敗走させ、ただ一人の最高権力者として内戦を勝ち残ったコンスタンティヌス。帝国全体の一新を企て、自らの名を冠した新都コンスタンティノポリスを建設。帝国の絶対専制君主として君臨したコンスタンティヌス帝は、旧来の安全保障の概念を放棄し、キリスト教を特権的に振興。ローマをまったく別の姿に変えてしまう。それは中世のはじまりの姿だった―。

登録情報

  • 文庫: 142ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/8/28)
  • ISBN-10: 410118187X
  • ISBN-13: 978-4101181875
  • 発売日: 2009/8/28
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 山根晋爾 VINE™ メンバー
形式:文庫
この一冊はコンスタンティヌスとキリスト教に尽きる。

コンスタンティヌスほど冷徹に宗教の上で二枚舌を使える人も珍しい。
ただし後のキリスト世界からの資料だけに頼った記述がほとんどなので著者も述べている通りなぜにコンスタンティヌスがそこまでキリスト教を先導していったかは定かではない。

自分の息子と后妃の不義の関係に対する著者の記述は味わい深い。
「中年の女の恋は、若い女のように夢からではなく、絶望から生まれるものなのである」
こういったところは女性作家が故の面白さだ。

単なる人間同士の争いであれば利害で決着が付き争うことが損とわかると自然と収まる。
が宗教を旗印にしだすと問題は常に複雑化する。
という現代まで通じる問題の下地を作ったのがコンスタンティヌスだった。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カロン VINE™ メンバー
形式:文庫
ディオクレティアヌスからコンスタンティヌスまでの時代は、在位期間で言いますと、284年から337年までと、わずか50年あまりです。
ですが、この間に実質的な都がローマからコンスタンティノポリスへ移され、皇帝の専制君主化が進み、キリスト教が公認されたことを考えますと、ヨーロッパ中世への扉が開かれたという意味で、非常に重要な時代と言えましょう。
本書を読むと、ローマ帝国を延命させようと様々な対策が打たれる中で、庶民の生活がむしろ悪化し、現世への希望を失った人々がキリスト教へ傾いていった事情が良く分かります。
確かに、歴史家の言うとおり、現在の目で見れば、「これほどまでして、ローマ帝国は生き延びねばならなかったのであろうか」(136頁)と嘆息したくなるのも無理はありませんが、当事者は、何とかしようと精一杯努力したのでしょう。
それでも、結局、「パクス・ローマ」は、元に戻らなかった。歴史の流れというのは、残酷です。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
読むのが辛い 2009/9/16
形式:文庫
ローマ人の物語の中で、今回がもっとも読むのが辛かった。まったく楽しくない。おそらく筆者もまったく楽しくないだろう。長年連れ添った恋人が不治の病で床についているような感覚がある。

この時代については文献が残っておらず、あるいはキリスト教的立場の文献しかないらしく、筆者特有のありありと現場を想起させるような描写に乏しい。
ディオクレティアヌスの老後の心境やコンスタンティヌスの権力に対する欲求の根底にあるものなど、想像力を膨らませることができるシーンは多いと思うのだが。辛い時代に過ぎて、あまり具体的に想像をしたくなかったのだろうか。

それにしても、この本の中で一番つらかったのは、コンスタンティヌスの凱旋門の写真だ。4世紀の彫刻のレベルの低さに愕然とさせられる。人間とは退化する生き物なのだ。社会とは退化する有機体なのだ。

日本はどうなるだろう。ローマ人の物語を今の日本に照らして読んでしまう。そして今の日本が「最後の努力」に近いと感じているがゆえに読むのが辛いのかもしれない。
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