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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
悪名高い皇帝たちの再評価,
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レビュー対象商品: ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫) (文庫)
晩年孤島に隠棲したままま恐怖政治を行ったと言われる第二代皇帝ティベリウス、狂気の第三代皇帝カリグラ、口下手でなりゆきまかせの性質があり、若い奔放な妻にふりまわされ、後妻(ネロの母)に毒殺された第四代皇帝クラウディウス、歴代皇帝の中でも随一の知名度を誇る第五代皇帝、暴君ネロ、の4人の“悪名高い”皇帝の治世を描く。目だった業績がないといわれ、むしろ悪く描かれることが少なくないティベリウスとクラウディウス、後世にその性癖や行動がスキャンダラスで畸形的に描かれるカリグラとネロ、本書で著者はこれらの皇帝たちの再評価を試みている。特にティベリウスについては晩年のカプリ島隠棲後の悪評は根拠がないと喝破し、カエサル、アウグストゥスの後を継ぎ、帝国の礎を築き覇権を軌道に乗せたという点でその内政・軍事・外交といった面での手腕を高く評価する。 著者の文章は、彼らの治世を様様な要素、政策とその結果、影響、外部環境、とひとつひとつ事細かに解きほぐしていく。後世の偏見や一面的な見方に惑わされず、複眼的な視点を忘れないその姿勢、論理的な筆の運びは見事としかいいようがない。史書を読み解き、推論し、平明な言葉でつづっていく。決して筆を急がず、かといって単調な一本調子でもない文章は読みにくさとも無縁。 この巻においても著者は、後の五賢帝時代の歴史家タキトゥスを高く評価し、彼の著作から引用するところが少なくないのだが、タキトゥスと見解を異にする部分などはきちんとその論拠を明らかにしていく。千有余年の時を超えての二人の対話を見ているよう。全巻にわたってこうした知的冒険のワクワク感に満ちており、飽きさせない。見事。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ティベリウスおまえも(愛された)か,
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レビュー対象商品: ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫) (文庫)
本章からは、カエサルが下絵を書き、アウグストゥスにより完成された帝政を以降の皇帝達がどう維持、発展させていくかを書いていく新章です。西洋文明の基礎を作ったローマ人を著者は高く評価しています。しかし今回は題名よりわかるとおり「悪名をはせた皇帝達」についてのものですので、どの様に評価を下しているのか読む前より楽しみにしていました。 結論はやはりレビュータイトルの如しでした。しかしながらその根拠については明確かつ精緻に記述してあり納得できるものした。磐石とはいえぬ政治システムの維持、不安定な外交政策を解決しつつ巨大帝国を維持することは非常に困難であり、それをしたたかに進めた2代皇帝もまた愚帝ではなかったとの事でしょうか。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
頑張れ ティベリウス,
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レビュー対象商品: ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫) (文庫)
ローマ帝国との長い旅であるシリーズであるが 17巻はティベリウスが主人公である。カエサル、アウグストゥスという 大天才達の後を引き継いだ彼の背負った「重荷」を 塩野七生は 穏やかな優しい眼差しで眺めていることに感動を覚える。スポーツでも 仕事でも 何度もそうだが 前任者が偉大である場合の 後任者というのは難しい立場である。その中で 彼は 前任者たちの建国思想を まず「理解」し 次に「守り」 そうして「充実」させたという点を塩野七生が 実に評価している点がよく分かる。 「ローマ人の物語」は ある意味で 塩野七生の壮大な「ローマ帝国」の「翻訳」であると思う。今までギボンのローマ帝国衰亡史しか 持っていなかった日本人にとって 誠に有りがたい著作である。何より 万人をして 読まさしめるという点が 痛快といっても良い。
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