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西洋文明の基礎を作ったローマ人を著者は高く評価しています。しかし今回は題名よりわかるとおり「悪名をはせた皇帝達」についてのものですので、どの様に評価を下しているのか読む前より楽しみにしていました。
結論はやはりレビュータイトルの如しでした。しかしながらその根拠については明確かつ精緻に記述してあり納得できるものした。磐石とはいえぬ政治システムの維持、不安定な外交政策を解決しつつ巨大帝国を維持することは非常に困難であり、それをしたたかに進めた2代皇帝もまた愚帝ではなかったとの事でしょうか。
今回の主人公は先代、先々代と比べるとスケールが小さい事は否定できませんが著者の優れた分析、偏見のないローマ人への敬意により充分に楽しめる一冊に仕上がっていると思います。
カエサル、アウグストゥスという 大天才達の後を引き継いだ彼の背負った「重荷」を 塩野七生は 穏やかな優しい眼差しで眺めていることに感動を覚える。スポーツでも 仕事でも 何度もそうだが 前任者が偉大である場合の 後任者というのは難しい立場である。その中で 彼は 前任者たちの建国思想を まず「理解」し 次に「守り」 そうして「充実」させたという点を塩野七生が 実に評価している点がよく分かる。
「ローマ人の物語」は ある意味で 塩野七生の壮大な「ローマ帝国」の「翻訳」であると思う。今までギボンのローマ帝国衰亡史しか 持っていなかった日本人にとって 誠に有りがたい著作である。何より 万人をして 読まさしめるという点が 痛快といっても良い。
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