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23 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
あくまでも「イタリアから見た」地中海世界,
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レビュー対象商品: ローマ亡き後の地中海世界 下 (単行本)
皇国史観ならぬイタリア至上主義史観で一貫する塩野氏の最新作。「地中海世界」といってもイタリアに関係ない部分は徹底的に省略されており、視座がイタリアから動くことはありません。身も蓋も無い言い方をすれば、「愚かで野蛮な他民族に、イタリアがどんなにひどい目に遭わされてきたか」という話です。何だかどこかの国の教科書のようですが・・・特にオスマン・トルコの描き方は「海の都の物語」以来ブレることなく、軍事以外にとりえのない侵略国家として一貫しており、完全無欠の理想国家といわんばかりに美化されたヴェネツィア共和国と対照的です。ビザンティン帝国も無能で無価値なローマの残り粕程度の扱いしか受けていません。まあイタリア人にとってはそうなのかもしれませんが、実際にどうであったかはビザンティンやオスマン帝国について書かれた他の本を一読されることをお勧めします。
そういう偏りを気にしなければ、歴史物語としては実に読み応えのある大作で、日本人に馴染みの無い内容をこれだけ面白く読ませる作者の力量はさすがとしか言いようがありません。学者の書いた学術的に正しい本よりも、偏見まみれであっても数段面白いのは事実です。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
中世の地中海世界は、何故一千年も海賊対策に明け暮れたか,
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レビュー対象商品: ローマ亡き後の地中海世界 下 (単行本)
海賊のキリスト教世界への侵入が始まった652年以降、海賊対策に明け暮れた一千年の地中海世界の歴史です。生活の糧が得られ、生活の安全・安心を保障してくれていたパクス・ロマーナ(ローマによる平和)が崩壊した後の、海賊による脅威にさらされ続けた時代の地中海世界を主にキリスト教国側の海賊対策の視点から活写しています。庶民の安全が保障されることが産業や文化の発展に直結することを、海賊の脅威にさらされ産業や交易が衰退し文化が退化した中世の地中海世界の歴史から示している。
附録:民族によって異なる海賊対策では、ローマ帝国、ヴェネツィア共和国、スペイン王国の海賊対策とその有効期間を比較している。現代ソマリア沖の海賊対策の有効性を推察するにも参考となる。 著者のローマ人の物語等と同じく、いつものように一気に読める文体と地図、図、表、写真を駆使した親切な構成で長編歴史物語に没入・魅了させてくれます。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ベネチア史,
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レビュー対象商品: ローマ亡き後の地中海世界 下 (単行本)
ある意味のベネチア史であるな。下巻ではベネチアと、オスマン、スペイン、フランスなどと国家的な関与があり、特にベネチア、オスマンのせめぎあいは読みがいがある。といっても、イタリアそれもベネチア視点というのはずっと変わらない。
この本はローマ人の物語の続編というよりもベネチア(海の都の物語)の外伝として捕らえていくといいかもしれない。日本人とは少し離れた世界の物語だが、ローマ人の物語と同じようによどみなく読み進められた。 上巻ではシチリアのイスラムの寛容、ノルマンでのイスラム・キリスト教の共存、下巻ではベネチアの貴族の娘の話と、和みの話が含まれているのが、殺伐としたこの時代のともし火だ。
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