海賊のキリスト教世界への侵入が始まった652年以降、海賊対策に明け暮れた一千年の地中海世界の歴史です。生活の糧が得られ、生活の安全・安心を保障してくれていたパクス・ロマーナ(ローマによる平和)が崩壊した後の、海賊による脅威にさらされ続けた時代の地中海世界を主にキリスト教国側の海賊対策の視点から活写しています。庶民の安全が保障されることが産業や文化の発展に直結することを、海賊の脅威にさらされ産業や交易が衰退し文化が退化した中世の地中海世界の歴史から示している。
附録:民族によって異なる海賊対策では、ローマ帝国、ヴェネツィア共和国、スペイン王国の海賊対策とその有効期間を比較している。現代ソマリア沖の海賊対策の有効性を推察するにも参考となる。
著者のローマ人の物語等と同じく、いつものように一気に読める文体と地図、図、表、写真を駆使した親切な構成で長編歴史物語に没入・魅了させてくれます。