すごいはららした。
武器商人を題材に選ぶというかつてない展開。
武器商人を憎む人やハッピーエンドを期待する人には向かない現実性が高い映画かもしれない。本当に映画の世界なのかと錯覚に襲われる。もしかしたらドキュメンタリーを俳優が演じているのではないかと思ったりしてしまう。
インターポールにつかまったアメリカの武器商人ユーリー。彼は結局、拘置されることもなく釈放される。その時、彼が言う言葉が小憎らしいほど現実的。
皮肉なことかもしれない。武器は人を傷つけ殺す。それなら武器を売らなければいい。単純なことなのだが、世界はそう単純にはいかない。武器を憎むのも人なら、武器を必要としている人もいる、それ以上に武器で利益を得て生活している人もいる。
最後のテロップに、映画の主人公のユーリーの様に個人で武器商人として生活している人たちもいるが、それ以上に武器で大きな利益を得ているのは、世界の秩序と世界平和の維持を掲げる国連安全保障理事会の中で、任期において変わることなく、拒否権を持っている国連常任理事国の5大国(映画の中では5大国を挙げているだけで、国連常任理事国とはかかれていない)。
この5大国の国名を挙げている点はびっくりした。5大国が世界武器市場のほとんどを占めていることは知っていても、おおっぴらに非難など聞いたことがない。どこの戦争でも内戦でも、使用されている武器のほとんどは、5つの大国で製造されたもの。それを映画の中で言い切ってしまうのは正直言ってすごい。感動すら覚える。このまま、どこの国でも放映されるのかしら?少なくともテロップや実名が連想されそうな個所はカットされそうな気がする。
しかし、敵も味方も関係なく誰を相手にしても売りまくる。すごい商魂だ。地球の危険な地域どこにでも行って売る。誰にでも出来る職業ではない。ちょっとシュールでリアリスティックで考えさせる映画だ。