自動車ライターが自転車本を書いたということで手に取った。著者の世界に一気に引き込まれた。さすが著名な自動車ライターだけあって的確かつ面白くキャッチーな表現をちりばめているので飽きずに軽快に読み進めることができる。ロードバイクとあるからロードレーサー一辺倒かと思ったものの,ミニベロ,ランドナー,二人乗り自転車など様々あり,それらを自動車ライターではなく自転車ライターとなり,試乗体験したことについて書いてあり興味深い。自転車の更なる魅力、たのしみ方を教えてもらった気がする。自動車ライターの視点から時折自転車を自動車に喩えて表現するところもまた面白い。関係ないが著者は個性的とは思うあるものの決して高性能とは思えないポルシェバイクを愛用しているのは自動車ライターのプライドなのかと邪推した。
自転車は己の体との対話をしてはじめて進む乗り物であることについても書かれており大変興味深い。サドルのこと,東京‐糸魚川ファストランのこと,自転車乗りである以前にひとりの人間であることに共感を受けるとともに,ロングライドの魅力を垣間みた。惜しむらくは毎年参加されている東京‐糸魚川ファストランについてより深く紙面を割いて語って頂きたかったと思う次第である。
自転車の魅力を語る書籍として,伊藤礼氏の著書とあわせてお勧めしたい一冊である。