ロードス島戦記、第六巻 ロードスの聖騎士(上)です。
ついに物語も終盤に入り勢いを増すものだと思ったのです
が――出鼻を挫かれたというか、鼻柱を潰されたといった感
じです。
先ず読み所を3つ挙げます。
(1)宝物庫前にて目的のものを盗み出てきたダークエルフ×5
と宝物を取り返そうと新主人公スパークが奮闘する部分。
(2)パーンが、スパークとの稽古後、ディードリットといち
ゃつくシーン。
(3)傷ついた仲間を見捨てないダークエルフ。
(1)の部分で腑に落ちないシーンと出会い、鼻柱を潰されたと
いった感じになりました。もちろん、小説の中の鼻柱を潰され
たという表現を指しているのではなく、戦闘の中で使用される
ダークエルフの刃に・・・な・・い、短剣にだって塗る・・・だろ。
この部分で感じた腑に落ちないという思いは、(3)や仲間のダー
クエルフの遺骸を他のダークエルフたちで浅く埋められていた
という記述や、カノン太守に○シュ○ムが新しくついて、今ま
でのマーモからの太守と違い善政と言ってもいい秩序ある恐怖
で支配体制を強めていったという記述を読んでも払拭し切れま
せんでした。ダークエルフには首尾一貫とした設定、毒を喰ら
わば皿までを守り、傭兵や盗賊にはないダークエルフだけの残
忍酷薄の精神で行って欲しかったのですが・・・。
読者の中には、この部分を読んで今まで知っていたダークエル
フはダークエルフの一面でしかなかったと喜ぶ方もきっとおら
れると思います。人によってモノの感じ方、価値観は違うので
すから。絶対的な価値観があるとすれば、道徳や宗教の中にし
か見出すことはできないでしょう。
最後に、私は☆2を付けていますが、腑に落ちていれば☆4を
挙げています。小さいニースの精神的殻破りやスパークが精神
的に騎士見習いを卒業するまでの葛藤などが丹念に書かれ、ス
パークが持つ駆け出しの頃のパーンを彷彿とさせる直情っぷり、
ハーフエルフのリーフが出てきたときには、パーンとディード
リットの間に子どもが出来たらこんな子なのかなと腑に落ちな
い気持ちを一時忘れ、微笑を浮かべていました。主人公交代も
絶妙で、前巻からキラキラとまばゆい糸が梯子を成し6巻にか
かり、その梯子の上からパーンたちが主人公交代の挨拶をして
くれているように感じました。
皆さんも、ご覧になってみてください。