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「ローズガーデン」でのミロはあまりにも早熟で博夫はそんなミロの魅力に衝撃を受けた。
しかし、それはあの生々しい空間が造りだした泡沫の背徳だったのだ。
「すべては高校二年生のあの日、庭に薔薇が咲き乱れる家のベッドでともに過ごした時から始まったのだ」とカバーには供してある。
果たしてそうなのだろうか。
私はむしろ博夫の想いがそこで終わってしまっているのではないかと考えた。
博夫は今もあの淫らな時間をを求めて模索している。
だがいくら足掻いてもあの快楽は永久に得られない。
博夫が愛しているのは「ミロ」ではなく「義父に抱かれている少女ミロ」だからだ。
他3篇も、新宿ならではの多国籍、多様で複雑な人間関係を生かして描かれていておもしろい。
ハードボイルドの肩書きを持つ作品ながら主人公の女探偵ミロは、大沢在昌氏が描くような賢明なキャラクターではない。
しかし、それが苦心するミロの人間らしさを生み、現実味を与えているのである。
ミロがシリーズ化されているのは、きっと著者もこのキャラクターを気に入っているからであろう。
また、ミロに会うのが楽しみになる一冊だ。
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