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ロンバルディア遠景 [単行本]

諏訪 哲史
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

孤高の詩人による、秘められし愛の詩 「世界の果て」を目指して、若き詩人・月原篤は旅立った。彼が異国で出会ったものとは――。私は篤の道行きを小説という体裁で語ろう。芥川賞作家待望の最新作。

内容(「BOOK」データベースより)

詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、次第に打ち解け合っていく。やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが―。

登録情報

  • 単行本: 298ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/6/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062155486
  • ISBN-13: 978-4062155489
  • 発売日: 2009/6/17
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 453,319位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
深い 2009/10/28
形式:単行本
1、2作目と比べて、内容が重く暗い雰囲気の小説ですが、
3冊とも共通していることは、「書く」という行為に対して作者が挑戦しているということ。
そして、3冊とも読み終わった後に、悲しみのようなものがこみ上げてきました。
最近の小説にはない、深さとこだわりを感じました。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
素晴らしい! 2009/9/13
形式:単行本
あまり教科書的な反応はしないように。なんだか学校の先生みたいな、夏休みの課題図書とか読書感想文的文脈でしか、本が読めなくなってきている感じがします。それについて何かを論じてみるとかね。文芸評論家の花盛りですね。諏訪哲史の作品はそういう「なんかこわもての狭量な大学の先生」っぽい人の攻撃性をいたく刺激するようです。諏訪作品の衒学的で博覧強記な、どこか作り物めいた大仕掛けな文体は「ほら、言ってみて。その言葉、なんかつい口をついて言っちゃうでしょ。それそれ、それですよ。ああ、やっぱり言っちゃった」的に、「批評家の言いそうなこと」をあらかじめ先取りして肯定的評価であろうと否定的評価であろうと「なにかそれっぽいこと」を言いたい人への誘惑に満ちています。皮肉ですね。言葉にすることの恥ずかしさに身悶えする。作家も読者も。第3作『ロンバルディア遠景』はそういう優れた「身悶え小説」なので気持ちがいいですね。本は身体でも読めるんだということを思い出させてくれます。特に皮膚で。諏訪哲史は頭で書いてると誤解されてるんだろうな。哲学的な要素が頻繁に出てきますからね。だからトリックですって。諏訪氏の思う壺ですね。世間に溢れかえっている「分かりやすい小説」ほど、頭だけで書かれてるんですよ。頭だけで読もうとするから諏訪作品を難解だなんて言うわけ。ほら、やっぱり「それっぽいこと」を言わされてしまった。
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11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モア
形式:単行本
 2007年に芥川賞を受賞した諏訪哲史の3作目となる長編小説。
 芥川賞受賞作『アサッテの人』,前作『りすん』と本作は作品の構成,またその試みの上で同一の線上にある様にも思われる。しかし、本作には、前2作では些かクールに統御されていた、作家自身の「肉声」や「生の痕跡」が避けがたくあらわれているように感じられる。

 2年前の芥川賞受賞時に,諏訪哲史本人が吃音者であり,かつ毎食後の投薬を必要とする不治の精神病者であることが広く知られたが,実際諏訪は同じ精神病で最愛の実父を失っており,自身の死と狂気についてひたすら考え続けてきた苦悩が作品・文体の中に避けがたくあらわれている。この人の文体はまさに「狂気」そのものである。
 本作は現在,各文芸誌や新聞紙上では識者による惜しみない絶賛を得ている一方で,文学的にうぶな一部の読者から悪意に満ちたけなし文句が吐かれるという毀誉褒貶の渦中にある。
 物語は,美貌の少年詩人アツシが自らの思考と対話しながら「生」を旅し,その過程を語り手であるイサキが小説に仕立てるというものであり,各紙の書評にあるとおり,他に類をみないスリリングでため息のもれる濃密な「愛」の小説である。

 精神病に罹患することと「狂気」を描くことは,必ずしも同じ土俵で語るべきものではないのかもしれない。しかし,「狂気っぽいもの」が横行し,賞賛される今日において,自らの死と狂気を見つめ,思考し,また生きる、諏訪哲史という作家の存在は真に稀有なものではないか。その様に感じさせられる一作である。
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