79年発表、クラッシュの名盤『ロンドン・コーリング』。
ロンドン・パンクの代表格としてデビュー当時から圧倒的な支持を得ていた彼らが、それまでのシンプルなパンク・ロックから一変して、様々な要素を含んだ一風変わった内容の作品を作り上げ、今なおファンの間で賛否両論となっているのが本作です。ジャケット写真はエルヴィス・プレスリーの1stのパロディ。文字の並びなど見比べれば一目瞭然ですが、今ではむしろこちらの方が有名なような気もします。
全19曲、LP2枚にも及ぶ本作はレゲエ、ロカビリー、スカなど、まさに何でもアリの世界です。それは1曲目の表題曲から明らかで、ここにはこれまでのような疾走感はありません。ただ、サウンド的にはホーン・セクションが加わってはいるものの、基本的にはシンプルでストレートなロック・スタイルを貫いています。そのため、よく聴いてみると本作も紛れも無くクラッシュのアルバムだとわかるはずです。といっても、やはり1stのようなシンプルなパンクを期待すると面食らうのも事実なので、賛否両論になるのも頷けます。
名盤の中には1度聴いただけで全身に衝撃が走るタイプと、聴き込むうちに味が増して気付いたらハマッているタイプの2種類があると思います。1stが前者だとしたら、本作は後者に属します。もし、本作を聴いてイマイチだと感じたとしても、1度や2度だけ聴いて封印してしまうのではなく、根気良く何度も聴いてみて下さい。駄作か、名作か。本作の評価を決めるのは、それからでも遅くないと思います。