レベルが違う映画がまたひとつ。戦争に引き裂かれた男女、という、まったく持って古典的な設定ながら、あまりにも美しすぎる映像と静かな動き、独特のユーモアで、その古典的臭さを見事に打ち消すことに成功した、監督の力量がよっくわかる一作。
一応恋愛ものとされているが、そういう俗っぽい話ではなく、戦争、ミステリ的手法をふんだんに取り入れて、奥深い。
と、いうか、なんでこんなに綺麗な映像が取れるのか、まったくわからない。画面全体を一段セピアで塗ったような独特の色使い。そして、影。この映像の影の書き方はあまりにもうまく、そして美しく、監督のセンスが冴えまくっている。
話を追うのがやや大変だが、そんなものはどうでもいい、というか、そんなくだらないものに力を注いだんじゃないだろう。すべては演出のためで、それが映画の醍醐味だろう。
とにかく見てください。