私は米国で働いているため毎日のように英文に触れており、辞書を使う機会も多いのですが、ロングマン英和辞典はこれまでになく実用的で使いやすい、全く新しい英和辞典だと思います。まず、読みやすい! 水色と赤が効果的に使われていてカラフルなので、辞書特有の取っ付きにくさがありません。かと言って決して紙面がうるさくなる程ではなく、本当に読みやすさを追求した感があります。写真やイラストも豊富で、パラパラと眺めているだけで楽しく英語を学べます。サイズも大き過ぎず、片手で持てるし、カバーもソフトでとても引きやすいです。
私が一番感心したのは、なんといってもこの辞書で紹介されている例文の自然な英語であり、自然な日本語です。これまでの英和辞典は、例文が実際には使われていないような不自然なものが多かったので、最近はもっぱら英英辞典をメインに使っていました。しかし、ロングマン英和辞典で使われている英文は、本当に今ネイティブの人たちに使われている、生きた英語なのです。私は今アメリカで暮らしていますが、この辞書の中の例文は、日常生活の中でそのまま使っても何の違和感もありません。この自然な英文を対訳した日本語が、これまた自然です。これまでの辞書のような「まるで明治の文豪が書いたかのような」古くさい訳文は見受けられず、本当に自然な「今の日本語」なので、英文を和訳する際にとても参考になります。
また、語義がたくさんある単語については、まずその意味だけを使用頻度の高い順に番号をつけてリストにし、詳しい解説はそのリストの下に番号順に並べてくれているため、知りたい意味をすぐに見つけ出すことが出来ます。成句(イディオム)についても、頻度の高いものから紹介してくれており、かつ必要なものにはちゃんと例文がついているので、下手に語法をクドクドと説明されるよりもずっと自然に英語の言い回しが覚えられます。かと言って、決して語法を疎かにしているわけではなく、重要な部分はちゃんと解説してくれていますし、また日本人が間違えやすい使い方についても指摘してくれています(例:It's difficult to describe my feelings は○だが、It's difficult to describe ABOUT my feelings は間違い)。
強いて難癖をつけるならば、PCに向かっている時間が長い私としては、モニターで検索できるようなCD-ROM版がついていないことが残念です。この点は将来の課題でしょうか。しかしこの辞書には日常会話の例文集なども付録としてついており、単純に読み物としても充実しているので、本という形で持ち歩くことは決して悪いことではありません。現に私は地下鉄の中でこのロングマン英和辞典を読んでいて、その内容に没頭するあまり、乗り換え駅を乗り過ごしてしまいました。
海外生活を続ける中で私が感じたことは、英語を学習する上で、出来るだけ数多くの生きた英文に触れることの重要性です。その意味で、今回ロングマンから刊行されたこの辞書は真に画期的で、最も実用的な英和辞典だと思います。学生はもちろん、社会人が使っても余りある程の内容は備えているので、ぜひ一度は手に取ってみてほしい辞書です。ちなみに、私はこれまで英和辞典をひく際には、電子辞書版のジーニアス英和辞典とリーダーズ英和辞典を併用していましたが、これからはこのロングマン英和辞典をメインに使っていくつもりです。