読んで少々落胆。
丹念に資料等を参照しているのはわかるが、その羅列にとどまり新しい切り口などが見つからない。
「南極1号伝説」のような、当事者の声を聞ける部分も一部で、分量的にもたいしたことはない。
そもそもロリコンと言って、それが2次元に対するものなのか3次元に対するものなのかで、こんにちは明確に分化してきていると思うが、その視点が乏い。
(というかむしろ、2次元への嗜好は3次元から分化したのではなく、同じ少女嗜好であっても、根本は違うと思うのだが)
一番長く割いている「オタク」の章も、オタクと一言で言っても時代によってその意味合いは変わってきているし、人種も性向もさまざまなのに、そういう論点はなしに単にオタクという言葉を乱用している感じ。
特にこの章が、資料によって後追いしている感じで、いわゆるその渦中にいる人間からすれば、実感に乏しい論であると感じるかもしれない。
たとえば「ストライクウィッチーズ」を2次元美少女の消費の代表例として挙げているが、その図像が支持されて人気が出たわけではないことは、リアルタイムで追っていた人間は実感として持っているだろうが(かえってアニメファンは放送開始当初は呆れていたはず)、その図像によって支持されたかのように書かれるのはちょっと違和感があったりするのである。