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ロマンポルノと実録やくざ映画―禁じられた70年代日本映画 (平凡社新書)
 
 

ロマンポルノと実録やくざ映画―禁じられた70年代日本映画 (平凡社新書) (新書)

樋口 尚文 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本映画が洋画の後塵を拝し、斜陽のどん底に喘いだ七〇年代。しかし、セックスとバイオレンスに活路を見出した日本映画は、若者たちの知的興奮を駆り立て、熱い共感を集めた。映画表現の、その過激と破天荒は、新作映画が虚ろに賑わう現在を衝く。いま、鮮烈に甦る、異形の「名画」、堂々の一一〇本立て。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

樋口 尚文
1962年生まれ。映画批評家。早稲田大学政治経済学部卒業。大手広告代理店のクリエーティブ・ディレクターとして多数のテレビCMを企画・制作するかたわら、『キネマ旬報』などで批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 まるで名画座の企画を思わせる70年代のプログラム・ピクチャー, 2009/7/28
 樋口尚文氏は自身を「70年代の赤貧の日本映画の伴走者」と規定しているが、1962年生まれの著者にとって、70年代日本映画は同時代というよりは名画座で追っかけた作品群であろう。その追っかけぶりは半端ではない。タイトルから連想される傑作はほとんど網羅されているといっても過言ではない。冒頭からDVDもビデオも出ていない勝新監督「顔役」(1971)を「映画そのものがバイオレンス」な傑作で、「大映の撮影所的オーソドキシーにヌーベル・ヴァーグやシネマ・ヴェリテの影響が移植されたアマルガム」と評価する。「ヌーベル・ヴァーグやシネマ・ヴェリテの影響」と言うより、勝新のその後を見るともっと本能的な独創的なものだったと思うが、ともかくこの高い評価には賛成したい。
 触れずにいられない傑作群にはきちんと触れて、さらにプログラム・ピクチャーの枠のなかでの傑作や、枠をはみ出した珍作まで紹介している。取り上げられた作品はほとんど見ていたが、再見したくなる書きっぷりだし、見逃した作品を見たくなるという良書である。
 ただし、松竹作品にはほとんど触れていない。また、プログラム・ピクチャーという枠に入らず、名画座でも再上映されない東映ピンク映画の怪作(例えば荒井美三雄監督「女子大生失綜事件・熟れた匂い」など)は著者は年齢の関係でたぶん見られなかったであろう。 
 70年前後のプログラム・ピクチャーの傑作はこれだけではない。次は松竹の山田洋次の「ハナ肇の馬鹿が戦車でやってくる」や森崎東の脚本による「吹けば飛ぶよな男だが」「喜劇・一発大必勝」、森崎の「女生きてます」シリーズ、東宝の異端児・松本正志監督の「戦争を知らない子供たち」「狼の紋章」、日活ニューアクションの長谷部安春・沢田幸弘・藤田敏八などの商業映画の枠をハミ出した傑作群に触れて欲しい。
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 “あの時代”でしか生まれなかった傑作たちの記録。涙モノです。, 2009/8/1
By hide-bon (名古屋市) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
TVドラマの映画化作とアニメが集客力から幅を利かせる今日では隔世の感があるが、かって日本映画が、その反社会性を以て、観客たちに映画館の暗闇の中で、反公序良俗的でピカレスクな“夢”と“悦楽”を与えてくれた時代があった。
本書は、かって早稲田在学中に「ファントム」を撮り、一部からその才気を嘱望され、電通勤務の傍ら映画批評家としても活躍する樋口尚文によるあの時代(70年代)に量産されたプログラム・ピクチャーたちの記録。個々の作品紹介に止まらず、批評、作家論、製作背景にも踏み込んでのその観念的で情動的な斬り口自体が、正しくあの時代の映画たちを語るに相応しい。
「仁義の墓場」、「仁義なき戦い・代理戦争」、「狂った野獣」、「秘色情めす市場」、「濡れた欲情・特出し21人」、「天使のはらわた・赤い教室」ら東映、日活の不良性感度の高い傑作群のみならず、「青春の蹉跌」、「赤ちょうちん」、「さらば、夏の光よ」、「嗚呼、花の応援団」、「HOUSE・ハウス」に、東宝ニューアクション、エログロナンセンス、社会派サスペンス、歌謡アイドル映画までが網羅される。正に百花繚乱、著者と同世代で、当時の映画たちを名画座で観てきた者にとっては、実に感慨深い。タイトルを列挙していくだけで涙腺が緩んでくるのだ。
読む者それぞれに思い入れ作は違うだろうが、個人的には、ディテールはあまり覚えていなかったものの、土着的で淫蕩、血と情念の傑作として忘れられない関本郁夫の「天使の欲望」が枚数を割いて語られていたのが懐かしく、嬉しかった。
映画産業の衰退化と喧騒混沌とした政治の季節が暗澹たる結果に終わった時代に、あだ花の如く生まれ爛熟したこれらの作品群にやはり魅力を感じてしまうのは、青春期に出逢ったと言う同時代性のみならず、当時を生きてきた者として、前書きで著者が喝破している様に、“こうした貪婪で猥雑な表現の幅は、明るく清潔で画一的なシネコン文化にはまるで見出せないもの”だからなのだと思う。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 こういう世界観 大好きです, 2009/10/8
By hiraku (山形県山形市→仙台市泉区) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
映画が斜陽産業となった70年代、映像の世界はロマンポルノと実録ものに才能が集まったのです。そこには現状を打破しようとする才能が集まり、特異な世界が広がっていたのです。その異端な世界をまとめた本書は作者にとって素晴らしい仕事となったのです。映画ガイドとしての役割とその作品たちが作られた根底までを暴き出しているのです。DVD化されていなく、観る機会のない作品も多いのでしょうが、混沌としたシーン全体を俯瞰することができる仕事なのではないでしょうか。また、サウンドトラックにまで言及しており、70年代ロック好きには堪らない記述もあり、楽しませてくれます。四人囃子やコスモス・ファクトリーに佐藤充彦なんかは出てきただけで嬉しくなります。

この時代、自由に作品が作れるユートピアがロマンポルノとやくざ映画だったのでしょう。そこに才能が集まったのは頷けますし、そして傑作がうまれたことも理解できます。その混沌とした熱気こそ70年代だったのではないのでしょうか。
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投稿日: 3か月前 投稿者: 大江春泥

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