決して普段よく耳にする曲ではないが、全く退屈することなく楽しめた。何気なしに聴いていても自然と耳が離せなくなり、その印象は強く心に残る。
ポール・メイエのクラリネットの音の美しさ、その完璧なテクニック、繊細な歌心、曲想のツボを心得た節回しのセンスの良さには脱帽。しかも実に官能的でスリリングな演奏だ。クラリネットという楽器がこんなにも変幻自在な音楽を奏でられるとは、想像以上の驚き。そこらの凡百の「名演」とやらがつまらなく思えてくる。
ジャズも演奏するメイエだからこそ、これほどまでに心躍るような音楽が生まれるのだろう。
エリック・ル・サージュのピアノも決して伴奏ではなく、対等な音楽で見事にメイエに応え切っている。これこそ音楽だと思わずにはいられない。素晴らしい演奏に出会った。