ステファン・グラッペリと共演した「口に言えないすばらしさ」は、まさに秀逸の演奏です。古澤巌の甘い音色が、グラッペリのスウィングする演奏とよく溶け込んでいます。
ダンブロジオ作曲の「ア・リトル・ソング」「セレナータ」、作曲者不詳の「イ長調のチャールダーシュ」は珍しい選曲です。好きなのでしょうね。
シモネッティの「マドリガル」の軽やかさは、特筆ものです。柔らかい奏法が心地よく耳に響きます。
ディニークの「ひばり3クァルテット・ヴァージョン」はいいですね。テクニックも素晴らしいのですが、表現力が図抜けており、音楽が躍動しているのがリスナーに伝わってきます。正確であり、かつダイナミックな音楽という質の高さを示した演奏です。
ヘンデルの「パッサカリア」は、まさしくバロック様式での演奏です。少しロマンティックな演奏がまたヘンデルの優雅さを引き立てています。
「ショーロ・インディゴ」は、彼の代名詞のような曲ですので、解説不要でしょう。古澤巌ワールドを満喫できます。
モリコーネ作曲の「ニュー・シネマ・パラダイス」は、オリジナルよりしっとりとした感性で演奏されており、静謐の中に熱い思いが感じられました。
ラストの古澤巌作曲の「町の想い出」もなかなか素敵な曲でした。どこか懐かしい旋律が奏でられ、遠い昔の情景をたどるような演奏です。温かい人柄が感じ取れる佳曲でした。