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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
おもしろくて、そして怖い,
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レビュー対象商品: ロボット (岩波文庫) (文庫)
これはおもしろい!戯曲を読んだことのない人も読み慣れた人もきっと満足する一冊。手塚治虫の「火の鳥」で命の再生を試み、体を失った後も地球の命の萌芽を見守る、という話があったが、私はそれを思い出していた。命ってなんだろう。労働機械として生み出されたロボットが人間を地上から殲滅させて得た楽園は実は命の再生産のない「死」を待つだけの世界としって、ロボットたちが命の生産の秘密を得ようとやっきになるシーンがある。人間たちが犯した間違いを、ロボットたちも繰り返すのだ。なんという皮肉。ぞくぞくする怖さだ。そして、命の再生産は結局人為を越えたもので、その向こうにしか本当の希望はないのだろう。それにしても85年も前に書かれたとは思えないほど、古さを感じない。最新の演出の舞台で是非、観てみたいなぁ。
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
『いつか私の時代が来る。』,
By 林縦勝 (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ロボット (岩波文庫) (文庫)
チェコからは、時に前衛的な人が現れる。古くはヤン・フスであり、19世紀以降で見ても、アルフォンス・ミュシャやフランツ・カフカ等数多い。先の大統領ヴァーツラフ・ハヴェルも劇作家出身なので、前衛とは言えぬまでも、異色である。このような文化的系譜の中に、本作を記したカレル・チャペク(1890-1938)も属している。チャペクは、カレル大学哲学科を卒業後、ジャーナリストとなり、文筆活動(戯曲、随筆、SF、児童文学等)に入った。本作は戯曲、それも「逆ユートピア的戯曲」であると思う。「逆ユートピア」と聞くと、ジョージ・オーウェル「1984年」を思い起こす方もいるだろうが、本作は、あれほど重苦しい空気に満たされてはいない。 設定に触れる最短ルートは、――以後ポピュラーになった――「ロボット」という語の語源について、述べるのが良いと思われる。『チェコ語には「賦役」を意味するrobota(ロボタ)』(p206)という語があった。これを作者が改変し、「ロボット」となった訳である。だから、「賦役」そして「労働」についての話が繰り広げられていることが察せられる。そして、その担い手こそが本題である。筋については、文学作品なので、小生言及を控えておきます。 本作は、200ページ弱という分量と15名の登場人物で仕立てられている。膨大な量と、多数の設定人物で組まれてはいないので、戯曲に縁遠い方でも、余り負担とならないのではないだろうか。和訳もとても良く、そしてあとがきも良い。 本作の持つ意義の広がりは、手にする方それぞれによって大きく、また多面的に広がると思う。小生は冒頭に掲げた寸評の言葉を思い出した。奇しくも、ボヘミア出身の作曲家グスタフ・マーラー(1860-1911)が言ったとされる言葉である。 大いに推薦
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ロボットというより、人造人間(キカイではない)ですが。,
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レビュー対象商品: ロボット (岩波文庫) (文庫)
チャペックを読んでいつも驚かされるのはその作品の色あせないことだ。とても前世紀初頭に書かれたとは思えないほど、生々しく心を打つ。「人間ではない奴隷」がやがて反旗をひるがえすというプロットは、同じ著者の長編「山椒魚戦争」と、「奴隷が人間ではないがキカイでもない=生ものであること」の点で非常に似ているが、敢えていえば本書は戯曲であり、上演を意識している分だけ、歯切れ良くテンポも良い(「山椒魚」の方が、過剰な舞台装置-自筆の「日本人工作員による極秘文書」とか怪しさが笑える-という点で好みではあるのだが)。エンディングもアンチユートピアものにつきもののグロテスクさがなく美しい。
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