これはおもしろい!戯曲を読んだことのない人も読み慣れた人もきっと満足する一冊。手塚治虫の「火の鳥」で命の再生を試み、体を失った後も地球の命の萌芽を見守る、という話があったが、私はそれを思い出していた。
命ってなんだろう。労働機械として生み出されたロボットが人間を地上から殲滅させて得た楽園は実は命の再生産のない「死」を待つだけの世界としって、ロボットたちが命の生産の秘密を得ようとやっきになるシーンがある。人間たちが犯した間違いを、ロボットたちも繰り返すのだ。なんという皮肉。ぞくぞくする怖さだ。そして、命の再生産は結局人為を越えたもので、その向こうにしか本当の希望はないのだろう。それにしても85年も前に書かれたとは思えないほど、古さを感じない。最新の演出の舞台で是非、観てみたいなぁ。