SFめいたタイトルですが、取り上げているのは今まさに進行している技術革新。それが社会、そして人類をどのように変えようとしているのか、丹念に考察した刺激的な書です。
知識人や軍事関係者への広範なインタビューに裏打ちされた著者の未来像は、一定の説得力と不気味な迫力があり、大変興味深い。特に「第4章 無限を超えて」は、読み応えあり。ムーアの法則やゲノム解析を取り上げながら、技術の加速度的進化が極限に達する「特異点」がもうすぐそこまで迫っていることを読者に実感させ、様々な想像をかきたてられます。
細かな技術論には踏み込まず、社会、政治、思想といったスケールの大きなところに一貫して焦点を当てているのが、良いところ。「ロボット」「軍事」だけに留まらず、哲学や現代ポップカルチャーにまで話題は及び、知識欲を満たされるだけでなく、純粋に読み物としても面白い。おすすめの良書です。