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ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書)
 
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ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書) [新書]

柴田 正良
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

ロボットも心は持てる――脳科学や哲学の最新理論をふまえつつ、機械、知性、道徳など現代人の課題に迫る思考実験。

プロローグ――本書のテーマは一言でいうと、ロボットに心がもてるか、ということである。この質問をいきなり大学生にすると、学生の大半はあまり迷いもせずに「No」と答える。そこで、その理由は何か、とたたみかけて尋ねると実にさまざまな答えが返ってくる。曰く、「ロボットには計算ができても、人の気持ちは分かるはずがない」「ロボットはプログラムされたこと以外のことをする創造性をもっていない」「心とは人間の本質だ、それをロボットがもったらそれはもう人間だ、だから定義によりロボットは心をもてない、証明おわり」……
そこで彼らの言い分をひとしきり聞いた後で、「じゃ、ドラえもんには心がないわけ?」と反撃(?)すると、彼らは一様にのけぞって、「えっ、そりゃ、ずるいよ」といわんばかりの顔をする。しかし、本当のところはどうなんだろう。ロボットが心をもつというのは原理的には可能なのだろうか。これからの話を面白くするために、私は、「可能だ」という陣営に身を投ずることにする。――(本書より)

内容(「BOOK」データベースより)

ロボットも心は持てる―脳科学や哲学の最新理論をふまえつつ、機械、知性、道徳など現代人の課題に迫る思考実験。

登録情報

  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 講談社 (2001/12/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061495828
  • ISBN-13: 978-4061495821
  • 発売日: 2001/12/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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40 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
これは、「心を持つロボットは作れるか?」という問いに臆面もなく(?)「作れる!」と答えている本です。と言ってもどうせ、「いかにも心を持っているかのようなロボットなら作れる」ってことだろうと思われた方――正解です。じゃあやっぱり、「ロボットにある種の生々しい感じ(クオリア)を伴った心を持たせることまでは出来ないし、実際その必要は無いだろう」とか何とか言ってお茶を濁すパターンなわけだと思われた方――残念でした、不正解です。著者が「心を持つロボットは作れる」と言う時、それは紛れもなく、私たちが現に持っているような種類の心、つまりクオリア込みのそれに他ならないのです。素朴な物理主義という考え方を採る著者の挑戦が始まる!「ロボットの心」を論じるにあたっては、もちろん「私たちの心」について考察することが必要でしょう。ですから本書で展開されているのは、実は歴とした「心の哲学なのです。クオリアの問題ばかりか、それと関連して著者は、今までなぜかこの分野ではあまり真剣には論じられて来なかった「感情」の役割に関する問題にも果敢に取り組んでいます。また、7つに分けられた章の始めにそれぞれ語られる、ちょっと寓意的なショート・ストーリーが興味をソソるんです。そんなこんなの本書は、様々な企みに満ちた画期的で楽しい「心の哲学」の本だと言って良いでしょう。
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19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:新書
 わずかばかりの論点追加と、著者の語り口について一言、二言。

 たしかにこの本は、「ロボットは心を持てるか」という問に対し、「持てる」という立場に立って議論を突き詰める内容になっている。ただし注意すべきは、結論は保留されているという点。というのも、巻頭からさまざまに切り口を変えながら、「ロボットは心を持てる」という判断を支持する結論を導き、重ねながらも、巻末近くで扱われる「感情」や「道徳」の問題までたどり着いた時点で、最終結論は留保される。
 結局、人間の心の成り立ちが分からない以上、ロボットがそれを持てるかどうかの議論も立ち止まるしかないという、当たり前といえば当たり前の結末。つまりこの本は、裏側からの人間論だったわけだ。

 ちなみに、著者は文中各所で自分自身に突っ込みを入れている。何かを主張した直後にカッコ書きでそれを相対化するような記述や合図が、多いときは1ページに2~3か所も出てくる。あるいは、そもそも哲学している自分自身に憐憫または嘲笑を投げかけるような記述も頻出する。日ごろ周囲からよほどイタイ視線(「あの先生もいい年をして、何て地に足のつかない話をしてるの?」)を浴びているのかと同情したくもなるが、しかしその一方、おかげで文脈が錯綜して話を不必要に混乱させている気味もあり、ちょっと哲学者としての覚悟とプライドが不足してるゾッ! と発破をかけたくもなった。哲学者の人生も大変そうだ。

 分かりやすく、面白い本だと思うけれど、各章冒頭に置かれた「7つの哲学物語」の出来栄えについては、評価を差し控えたい。

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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 皿皿
形式:新書
本書の主張の中心は「心があるようにしか見えないロボットを作ることは、心のあるロボットを作ることなのだ」(216ページ)そしてそのようなロボットを作るのが不可能な理由はない、ということである。著者は考えられる反論に答え、十分説得的に論じていると思う。

注意すべきは、「ロボットに心が持てるか」という問いは、それだけでは不毛になる危険があるということである。というのは、心という概念は明確な輪郭がないからである。例えば犬や猫の場合、思考や悲しみは認めにくいが、喜びや恐れは認められる。要するに犬猫相応の心を持つ。「心とは人間の心である」と定義しそれに固執するなら別だが、そうでなければロボットも同様に、ロボットの多様性に応じた様々な「心の変種」を持つことが予想できる。著者はチューリングテストの章で「機械が心を持つには、環境との関わり方において人間と似た身体が必要」と主張しているが、仮に人間と区別できない会話をこなす機械が本当に出現したらどうか。身体がなければ、確かに「ビールのうまさについて」とか苦手な話題はあるだろうが、例えば著者と対等に議論ができるなら、人間とは違うにしてもそれなりの心を認めざるをえないだろう。「心を持つ」とは、実質的には、悲しむ・信じる・考える・意識する・発言に意味をこめる等のこころ系述語が適用可能ということだが、心系述語の多様性と広がりに応じて「心」という概念は柔軟な概念なのである。このこと自体は詰まらない指摘だが、心に関する問題を変にこじらさないためのポイントである。
このような概念的検討については、本書では7章の「人格」概念の分析がいい(4ページだけで、本書全体からは注釈的な扱いだが)。結局の所、多くの人が「ロボットが心を持つ」ことに抵抗感を持つ原因は既存の人格概念にあるので、むしろこちらが本筋だったかもしれない。

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