ジャンダー破壊事件から200年が過ぎた。ベイリのオーロラでの活躍をきっかけに、地球人たちは地球を離れて大宇宙へと進出していき、植民国家連合を形成した。今や植民国家連合の隆盛は宇宙国家連合を凌駕するほどになっていた。
この状況を苦々しく思い、植民国家連合を銀河系から一掃したいと考える男がいた。彼の名はケルドン・アマディロ。オーロラのロボット工学研究所所長で、200年前に地球人イライジャ・ベイリに自らの野望を叩きつぶされた人物である。彼は植民国家連合打倒とベイリへの復讐のため、植民国家連合の<故郷>であると同時にベイリの生まれ故郷である地球を滅ぼす恐るべき陰謀に着手した!
イライジャ・ベイリは既に亡く、ハン・ファストルフもこの世を去った。アマディロの陰謀を阻止し、全銀河を救うという大使命は、ファストルフが作った高性能ロボット、ダニール・オリヴォーとジスカルド・レベントロフの2体に託された!!
「ロボット」シリーズと「トランター・ファウンデーション」シリーズを繋ぐという離れ業をやってのけた力作。特に完全無欠と思われていた「ロボット3原則」の欠陥をわざわざさらけ出すという力技には驚かされる。しかし、この作品は「橋渡し的」作品としてだけでなく、単品としても十分に優れている。ベイリとダニールの「別れ」をはじめ、感動的なシーンが随所に散りばめられているし、「3原則」に縛られながらも、その範囲内で最大限に努力するダニールとジスカルドの姿は、「人間」として理想の姿と言えよう。
ロボットを描くことで人間の特質・美徳を際立たせるというのはアシモフのロボットものの1つの傾向である。早川文庫版の解説にもあるが、「友情」や「愛」といった人間的特質=人間性は元々人間に備わっているものではなく、自らの手で獲得していくものというアシモフのテーゼがひしひしと伝わってくる。必読の傑作。