まず最初に写真家の方がかいたのに、
ものすごく文章がうまいことに驚いた。
ドキュメンタリー作品としての構成はまり上手いとはいえないが、
本作の主人公であるロバート・キャパがその傷害を閉じることになる
ベトナム行きを「ライフ」誌から打診された辺りからの流れは
素晴らしいものがある。
個人的にものすごくびっくりしたのが、
主人公であるロバート・キャパがその人生をテーマに
映画が何作か作れそうな人生を送っていることだ。
彼が史上初めて人間が撃たれて崩れ落ちる瞬間の
写真を撮ったことは知っていたが、
自分にカメラを教わった恋人が自分が写真家として成功した戦場で
死ぬことになったくだりの悲劇。
映画「カサブランカ」で有名になった女優イングリッド・バーグマン(イザベラ・ロッセリーニの母)と付き合っていて、
一度は彼女に夫と別れて結婚を望ませさえしたという
事実から推察できる人間的魅力。
前世紀、まだ世界が男の物だった頃、
世界で最も魅力的な男のうちの一人だったのだろう。
それだけに彼の死の模様を細かく伝えてくれる、
(しかも死んだ本人による死に場所の写真つきの)
本書は極めて意義深いものになっている。
英雄はこうして死んだのだという貴重で奇跡的な具体例だ。
星四つ。