私が、これまで読んだ、6冊の日本語で書かれたオッペンハイマー伝の中で、最も印象に残った本である。--本書は、永くカナダの大学で教鞭を取り続けて来た科学者による、異色のオッペンハイマー伝である。
著者は、これまでに書かれた多くのオッペンハイマー伝を再検討し、その多くに批判を加えて居る。そして、シラードの虚像を打ち砕くなどして、これまで、多くの伝記筆者が、オッペンハイマーとその同時代人について書いて来た事柄に、根本から再検討を加えて居る。
オッペンハイマーに関する必読の本である。英訳の出版を強く望む。
(西岡昌紀・内科医/原子力の日に)