本作はフジテレビが十八番とする「犬猫」映画の一本である。
しかし、今回は犬のロックはタイトルほどの存在感がなく、軸は2000年に
起きた三宅島の大噴火に置かれている。
もともと「めざましテレビ」でのエピソードが映画になったとのことだが、
内容の多くは「マリと子犬の物語」同様、空想で書かれたものだ。
例えばロックは被災こそしたが、あんなに南極物語のごとく放置されることも
なく、すぐに保護されている。
もちろん活動写真だから脚色は歓迎だが、その割にはタロジロの如く噴火の三宅島で
頑張るロックのシーンなどは「0秒」だ。これはタイトルのイメージと違う。
火山灰の中奮闘するロックを描いたなら、間違いなく名作になったと思う。
東京に非難した家族を中心に描くから、子役の芯が語るナレーションも空想世界が
多い。芯とロックが取り残されたのならわかるが、心情だけ綴るならナレーションは不要だ。
果てはロックは里親に出されるのに、最後はまたこの家族が奪取してしまうと言うのは
理不尽だ(笑)。犬好きはこれで納得しているのだろうか。
蓮佛美沙子や岡田義徳、原田美枝子まで何たるもったいない起用か、と思わせる
配役も「ただ豪華」なだけでは辛い。
三宅島の惨劇を後世に残すために、とスタートしたのだろうが、クランクアップ直後の
東日本大震災によって観客の感じ方も変わってしまったのは不幸だったかな、とは思う。
それにしても「噴火して良かったです」というセリフは凄い。
中江監督もなぜ震災後の公開なのにこんなセリフを残したのだろうか。
近年、これだけ訴えてくるものが少ない「事実を基にした作品」はお目にかかったことが無いぞ。
特典ディスクにはメイキングや舞台挨拶が収録されているが、これも感動を与えます
的な作り方で、ちょっと問題ありかな、という感じだ。
星は2つです。