個人的に、フラワー・トラヴェリン・バンドの「Make Up」の映像に期待していたんですが、
収録されていたのはYouTubeにて公開の某映像にスタジオ音源を被せただけのものでした。
また、その他の多くの演奏シーンの映像も既出のものばかりで、まったく肩すかしです。
70年代当時の日本のロックの映像が1つのアーカイヴとして集約されたことは意義深いとは思うし、
そうした資料的なものとしてはそれなりに良い作品かもしれません。
が、1つの映画作品として観た場合はちっとも面白くもないでしょう。
なにしろ、内田裕也さんや近田春夫さんといった人達へのインタビューの合間に、
昔の映像が時系列もばらばらにダラダラ挟まっているだけの薄っぺらな構成でして、
映画のはじまりと終わりを内田裕也さんへのインタビューで纏めて、
どうにか全体を締めているだけの映画ですから。
インタビューをもうちょっと幅広く、細かくやって、
当時のレコード会社のディレクターだとか、ロックから別の方向へと流れていった人達とか、
そういう人達の証言も取り込んでくれていたら、奥行きのある見応えのある映画になったのでは。
例えばその後のYMOのメンバーがいたエイプリル・フールの人達だとか、
モップスから名プロデューサーへ転身を遂げた星勝さんとか、
ヒーリング・ミュージックみたいなものをやるようになった喜多郎さんとか、
話を訊くべき人は、いっぱいいたでしょう?
これでは「ロック誕生」というよりは、「内田裕也誕生」ですよ。
内田裕也さん、大好きだからこれでもいいんだけど(笑)。