元木監督は山下敦弘監督と組むことが多いので、本作も「リンダリンダリンダ」系を想像していたのだが、実際はちょっと違った。嶋大輔演じるメタボ親父=元ロックンローラーが、一念発起して再度ロックに目覚めるという話なのだが、バンドの3人に演技力と緊迫感がないので、感情移入できなかった。ウガンダは惜しくもこれが遺作となってしまったが、もしかしたら撮影時から体調が悪かったのかもしれない。キレのある芝居が観られず残念だった。対して女優陣の凄いこと!長澤奈央、波瑠、紗綾の3人は2010年現在、日本映画界に欠かせぬ女優たちだ。長澤はこの時点からキャリアがあり、酔いどれ演技も可愛かったが(笑)、波瑠は撮影時には誰も知らなかっただろう。その後、森岡組の大傑作「女の子ものがたり」で開花する訳だが、本作からその素養はあったね。三原じゅん子も久し振りに観たが、すっかり奥さん役がハマる年代になったなあ・・・。せっかく女優たちが牽引しているのに、主演のおやじバンドに魅力がなかったのが本作のツラいところだろう。娘役の波瑠・アルバイト役の長澤もせっかくギターを弾くのだから、最後はおやじバンドと絶対に共演しなきゃいけない。映画的カタルシスってそういうものだと思うのだが・・・。原作は未読なのでわからないが、ダイエットとバンド復活の流れもムリクリ過ぎる嫌いがあって、これもノレなかった要因だ。山下敦弘が脚本くらいは協力すれば良かったのに。またメイキング類が0分というのも不満だ。せっかくの嶋大輔だ、リハーサル風景なども観たかったなあ。せめて舞台挨拶くらいは収録しないと・・・。作品はギリギリ星2つだが、長澤と波瑠の演技に+1つ。