1992年4月から2003年3月までアルクの月刊誌『English Journal』に連載コラムをしていたものに加筆して2003年10月8日発行。
この本には2つの側面が感じられる。1つ目が優れた日常会話表現としての英語の教本。もう1つが『ぼくが愛するロック名盤240』の続編としてまさに『Between The Lines』にまでこだわったロック文化論である。
MTV世代の人間にとってピーター・バラカンの一本スジの通ったポリシー溢れる解説に魅了されなかった人は少ないだろう。ピーターの略歴を見てみると1951年イギリス・ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科卒業。1974年来日しシンコー・ミュージック勤務。その後YMOの海外コーディネーションを担当し、この頃からテレビ・ラジオの司会に登場してくる。
『ぼくが愛するロック名盤240』にはピーターの出身地のイギリスの大御所(例えばLed Zeppelin、Deep Purple、David Bowie等ピーター自身が文字変換による日本語表記の違いを嫌がっているのであえて英語で表記(●^o^●))やプロモートしていたYMO周辺のテクノ・プログレ等のアルバムはほとんどと言っていいほど入っていなかった。それはまるであたかもそれらの音楽は存在していないかのようですらある。
このように出身地や仕事周辺を完全に無視しした格好での選曲というのが、これまたポリシー溢れていて面白かった。これらを頭に入れた上でのロック、つまりブルース・ソウル・R&B・レゲエ・アフリカ音楽の240枚のアルバムとしてとらまえると実に面白く読めた。
本作ではその範囲を一回り広げ、まさにロックの詩人と言える人の作品をインタビューした時の印象等も交えて、詞の一行一行の日本人には把握するニュアンスも含めて感動的なくらい深く解説してくれている。時事動向も含めた説明は作品の『本当の』価値を知らしめてくれる。
ピーター・バラカン以外誰も成しえなかった『ネイティブ』な感覚を知らしめてくれる得難い名著だ。