まずジャケットについて。本BOXには国内外で2種の異なるデザインが存在しています。日本国内で入手できる
チャンピオンベルトにアメリカ国旗トランクス姿のロッキー、そして(恐らく最終作から)普段着姿のロッキーの後姿。
後者の渋さも捨てがたいデザインですが、一般認知度が最も高いであろうデザインが日本版に選ばれたようです。
外箱の中にはデジパック方式でディスクが収納されていますが、このディスクを収納するトレーについても
海外版には異なるバージョンが存在します。国内版は「豪華〜」と宣伝されていますが、透明テープで7枚
のトレーを接着しただけの簡素なものです。それより、トレーの土台になっている紙製内箱にはブックレット
が収納できそうなポケットがあるのですが、ディスク再生の注意書き一枚しか入っていません。思わせぶりな
体裁なだけに、非常に気になるところ。海外版ではコストの関係でブックレット製作を見合わせて、それが
国内版に影響しているのでしょうか。ちなみに海外版は定価一万円ほど、現在では半額で入手できるようなので、
元々このBOXの製作コンセプトは「永久保存版」という意味合いより、「バリュー価格」のほうが合っている
のかもしれません。そうなると値段が張る国内版の価値は微妙なものになってきます。
そして肝心の映像・音声については、海外・国内のファンの声はおおよそ一致しています。つまり、ブルーレイで
期待していたほどの画質にはなっていない(主に2から5)というもの。特に長年様々なフォーマットでシリーズを
買い求めてきたスライ・ファンほど落胆の度合いが深く、私もそんな一人です。強いて言うと音声だけは素晴らしい。
「ロッキー4」を例にとって観てみると、ソ連側の登場人物がロシア語で喋り、それが画面に英語字幕で出る部分。
ここは当時から合成処理上画質がワンランク落ちる部分でしたが、やはりそのままでした。その他の部分でも縦線
などが散見され、レストア作業面で高い評価は出来ません。
そして値段が張る国内版の字幕・吹き替えの翻訳が以前から進化していないのも寂しいことです。コアなファンなら
劇中でロッキーの呼ばれ方が違う(アポロは「スタリオン(種馬)」、ポーリーは「ロック」)ことは常識ですが、これは
ついに活かされなかった。字幕の少なさも気になります。原語の台詞がかなり軽妙で面白いだけに惜しい。
ファンとして切に望むのは、スタローン監修による完全デジタル・レストア・バージョンのブルーレイBOXですが、これは
何とかリリースしてほしいものです。バラ売り無しと言っておきながら単品リリースするなど、20世紀フォックスには色々
言いたいことがありますが、現状ではこのBOX及び単品のブルーレイが、最良な状態で作品を鑑賞できるものです。