ラジー賞の王様、スタローン。
「最低最悪スター」「今一番過大評価されている俳優」・・・もうこれでもか、と散々叩かれ続けてきた。
ファンとしては至極残念なことだけど、正直それも仕方ないか、と思うこともあった。
だけど。
この連戦連敗の前、彼が勝利を収めてることは忘れない。
それがこの作品。
某カジュアルブランドの元CEO(?)の云うところの「1勝9敗」というものに通じるかも。
そして、この一つの勝利。
他の誰にも成し得ない、彼だけにしか出来ない、それも「あの時の」彼だったからこそ、手に出来たもの。
全身全霊を賭けて勝ち取った、最高に眩しい勝利。
だから敢えて言ってしまうと。
スタローンは、あと何回でもラジー賞、取っていい。
そんなものがあと何回、彼に送り付けられようとも、この「1勝」の価値は変わらない。
「スタローンはロッキーだけ」。
そうだ、その通り。
それも「演技力がない」「クサイ」「ラストまでの流れが見え見え」「あんなボクシング、有り得ない」「ラストシーンのセリフで吹き出した」・・・。
なるほど・・・反論しない。
だけど、この「1本」はそこらの「オシャレな」「知的な」「シニカルな」「都会的な」「現代の一面を鋭く描く」「COOLな」映画を凌駕する「熱さ」を持っている。
「腹の底」からなんかでは納まらない、「足の裏から全身に回って、言わば観た人の“精神的低体温”を完膚なきまでに叩きのめす」力を持っている。
1勝9敗。
本当の土壇場で、堂々と自分の人生にチャレンジし、たった一つでもこんな勝利を得たロッキー≒スタローンは間違いなく勝利者だ。
そして、今でも眩しいチャンピオンに違いない。
少なくともこの「1勝」すら得られない、私のような者にとっては。