カントリーカントリーと巷では大騒ぎしていますが、結論として、ちっともカントリーアルバムではありません。私はブルーグラスなど生粋のカントリーも好きな人間ですので、本当にそう思います。ただ、特に日本の人々にとってはあのねちっこい(情熱的な、と言いたいですが…)フィドル(ヴァイオリン)の音が、耳に馴染みが無かったので、少々過敏に反応したのでしょう。しかし、その程度のサウンド上での影響と言うならば、今までだってヘヴィーメタルやパンクやブルースやゴスペルやラップにさえジョンは影響を受けています。
むしろ、カントリーのあのオーガニックな感じの開放感、ストーリーテラーな歌詞、そして哀しい歌詞を軽やかに潔く歌ってしまう、独特の空気感に影響を受けたのだと思います。
どちらにしろ、BON JOVIは昔からアコースティックな音質や(アコースティック・ヴァージョンも多々ありましたし)カウボーイに代表される土臭いアメリカというものを好んでいたのですから、いわゆる“ヒット曲”以外を大事に聴き込んできたファンには、そう驚きはないというか、年齢からして自然な流れであるように思います。
そして、メンバーの離婚問題などパーソナルな想いを綴ったという歌詞は、「THESE DAYS」を思い出させる憂いを含んでいますが、あの頃より曲が短くシンプルになった分、よりジョン・ボン・ジョヴィの歌唱力に圧倒されます。
久々にラブ・ソングが聴けるのも嬉しいですが、この“You”というのが色々なものを含んでいて、深い。思えばこの“Me&You”というところに、みんな自分を重ねてライヴで一体となれていたのかな…と感慨深くなったり。
個人的に一番嬉しいのは、リッチーのギターソロとバックヴォーカルが増えた、しかも非常に素晴らしい、ということです。ソロ以外にもギターの伸び伸び感が違います!去年の東京公演で、骨折したままギターをかき鳴らしていたリッチーのプロ根性、ここにあり。