私の本作への感想を一言で表現するなら「中途半端」かな。
『ダ・ヴィンチ・コード』ほど奇抜な歴史ミステリーを楽しめるでもなく、『天使と悪魔』のように科学と心の均衡について考えるほど哲学的な気分にも浸れない。
過去の作品と同様、建物・結社・儀式などに関する蘊蓄はふんだんなのだが本作の場合はそれが却ってくどく、物語の展開を失速させていたように思う。
一方でフリーメイソンよりもよほど知的好奇心をくすぐられる「純粋知性科学」に関する説明・描写が不十分で、私の欲求は不完全燃焼に終わってしまった。
私の本作に対する落胆の原因がダン・ブラウンの作風への飽きのせいなのか、それとも期待しすぎたためなのか、はたまた『ナチの亡霊』『犬の力』『ミレニアム』といった傑作の後に読んだことが悪かったのか、そもそも本作が駄作だったせいなのかは判りませんが、次回作が楽しめることを信じて待つこととします。
そういえば、読後に何故かニコラス・ケイジ主演の映画『ナショナル・トレジャー』を思い出したのは私だけでしょうか?