学生時代に西洋史のゼミに入って、ロシア史を専攻した。その詳細は、1920年代のロシア経済であった。しかし、近代だけでなく、ロシア史を古代・中世から近代まで学ぶ必要があった。僕はそこで、大きな壁に当たった。
ロシア史を学ぶには、二つの壁がある。
まず、地政学・歴史地理学の側面である。ロシアは、古代・中世までは弱小民族であり、プスコフ・ノヴゴロド・モスクワ・キエフ等の都市国家を形成していた。さらに、近代において力を付けて、急速に勢力圏を膨張する。専門書の多くは詳しい地図は掲載されておらず、理解するのは困難である。
次に、ロシアでは都市の名前がよく変わるのである。例えば、ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルグを例にすると、「サンクトペテルブルグ→ペトログラード→レニングラード→サンクトペテルブルグ」と目まぐるしく変わっている。これにも、ロシア史を学ぶには困難である。
僕は、学生時代には大学受験用の歴史地図帳を参考書にしていたが、ロシアの地政学・歴史地理学を理解するには物足りなかった。
しかし、この書籍は以上の諸問題を一挙に解決する。古代から現代に至るまで、ロシアの歴史地図を詳細に掲載されているのである。これから、ロシア史を学ぶ方には必携の書籍になるのは間違いない。
僕の学生時代に出版されていたらと嘆息をついたのが、一見しての印象であった。