私はスラブ語学習者ではないが黒田龍之助ファンであり、著書はスラブ語専門書を除いて殆ど所有している。
この本は著者一流の軽妙な語り口とはいえ、分厚いので、キリル文字の発音を頭をひねりひねり読んでいると、中々先に進めないが、キリル文字がある程度分かると、スラブ語とロマンス諸語・ゲルマン語の共通性が納得でき、興味深い。
(キリル文字を最初に覚えた中学生のとき以来、10年に1回くらい覚え直すのだが記憶に定着してくれない。)
本書は、直接はロシア語学習者向けのエッセイ本ではあるが、優れた外国語教師・外国語研究者の書いたものは、学習法の具体的ノウハウにしても、発想にしても、他の外国語学習者にも大いに裨益するものがあり、外国語を学ぶ楽しみが十分伝わってくる。
他の欧州語学習者にも、お勧めの1冊である。
以下、著者の著作をご紹介、推薦する:
キリル文字に抵抗のある人には、「ロシア語のかたち」白水社 (2002/01) ISBN-10: 4560006229、同じく「ロシア語のしくみ」白水社 (2005/03) ISBN-10: 4560006261を。 エッセイ・語学書としては「はじめての言語学」講談社 (2004/1/21) ISBN-10: 9784061497016が一押し。 ほか「外国語の水曜日―学習法としての言語学入門」 現代書館 (2000/07)ISBN-10: 9784768467848、「その他の外国語―役に立たない語学のはなし」 現代書館 (2005/03)ISBN-10: 9784768468920 など。