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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最近ではちょっと聴けない味のある演奏,
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レビュー対象商品: ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク (CD)
デンオンのロシア・ピアニズム名盤選シリーズから。これまたとんでもない名演揃い。。。うれしくなる。ラヴェルの「水の戯れ」は印象派的ピアノ曲の象徴的存在で、スコア冒頭にはアンリ・ドゥ・レニエの詩の一節、「川の神はわが身をくすぐる水に微笑みを浮かべる」と記載されてある。この作品はリストの「エステ荘の噴水」にインスパイアされた作品とのことで、ここでは両曲一緒に聴ける。これらの曲でヴェデルニコフの美感にあふれたソノリティは夢想的だ。。 また、フランクの「前奏曲、フーガと変奏」はフランクがオルガンのために作曲した6つの小品の第3曲で、ここではヴェデルニコフ自らが編曲したスコアによる演奏。本当にイイ曲!ここでも粒立ちのいいクリスタルな音は目も覚める効果を生んでいる。機械的な精巧さ精神性の深さを両立しえた名演となっている。 さて、さらに輪をかけていいのがラヴェルの「クープランの墓」。ヴェデルニコフは第3曲フォルラーヌを8分40秒かけてゆっくりゆっくりと弾く。(速い演奏だと6分を切る曲なのだが・・・)。しかしまったく音は弛緩しない。それどころか、それによって微細なニュアンスのことごとくを掬い上げて、ラヴェルの音のマジックを次々と披露してくれるのだ! 最近、このような真摯な深みのある演奏は、なかなか聴けなくなった。そんな意味でも貴重!
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
満州が生んだ天才ピアニストの遺産−−リストが絶品。,
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レビュー対象商品: ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク (CD)
アナトリー・ヴェデルニコフ(1920−1993)は、1920年5月5日、ロシアが満州に建設した都市ハルビンで生まれた。ハルビンで6歳からピアノを習ひ、10歳で演奏会を開いたヴェデルニコフは、上海などで演奏会を開き、1935年には、初めて日本を訪問し、東京に1年滞在して居る。この様に、満州と日本にゆかりの深い天才ピアニストであったが、1936年、両親と共にソ連に「帰国」した後、彼の悲劇は始まる。帰国したヴェデルニコフは、モスクワ音楽院でネイガウスに師事するが、両親は逮捕され、父親は、リヒテルの父親と同様、処刑される。又、母も収容所に収容されてしまふ。しかし、こうした逆境の中でもヴェデルニコフは音楽の道に打ち込み、リヒテルと数多くの共演するなどの演奏活動を続ける。ただし、こうした境遇から、外国公演を行なふ事は許されなかった。ようやく、1980年代、60台に成って、外国公演が許される。そして、ソ連崩壊後の1993年、ついに、58年ぶりの日本公演が実現する事と成るが、来日直前の(1993年)7月29日、日本を見る事無く、急死する。この様な、悲劇的な人生を生きたヴェデルニコフであったが、彼の演奏の多くがこうして録音の形で残され、日本人とヴェデルニコフの「再会」が実現して居る事は、せめてもの慰めである。 このCDでは、リストが素晴らしい。−−メフィスト・ワルツなど、まさに、メフィストと契約したピアニストだったのかと思はされる演奏である。−−ただし、ラヴェルは、ゆらぎの有る演奏で、私個人は好きに成れない。フランクも私はちょっと不満である。しかし、リストが、余りにも凄いので、星5つとする。 (西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に)
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
無私の音楽,
By 野火止林太郎 (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク (CD)
いずれの演奏も無類、至高の演奏であるが、とりわけフランクの「前奏曲,フーガと変奏 ロ短調 作品18」が作品自体の崇高さとも相俟って胸に迫る。哀しさが人間存在の卑小さを見つめ、憧憬は慎ましさと真率さにあふれている。クラシック音楽とは<精神の最後の隠れ家>であることが信じられてくる。ヴェデルニコフの演奏は、そうした精神の音楽の無私なる具現であり、これ以上は何ものも不要だと思わせる。 フォルティシモは至高なるものへの憧れを湛え、ピアニシモは地に染み透る哀しみだ。フーガの後、テンポを速めて再現される前奏曲のテーマではピアニストの真実の心が吐露されている。両親を国家によって奪われた哀しみと怒り、さらにそうした個人的体験を超えた、あるいはそれを通り抜けてきたことによって感得した、音楽でしか描けない何ものかが、この再現部分にはある。
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