12世紀のイングランドでのシチリア出身の女医アデリアの活躍は4作で終わってしまうようです。
歴史的背景と登場人物のキャラクターが好ましいシリーズだったので、もう少し長く続いてほしかったです。
さて、本作は、「エルサレムから来た悪魔」に続くシリーズ邦訳2作目です。
アデリアは幼い娘の母親となっています。
それも関連して「”麗しのロザムンド”の死について探れ」という王の要求を拒ません。
前作のような、プロとしての誇りに満ちた落ち着きをはらった態度は影を潜め、
「もし、自分がいなくなったら娘はどうするんだろう」等と苦悩する姿の方が多めです。
凛としたアデリアを好まれる方はその辺りが少し物足りないかもしれません。
また、今回も無茶ぶりをするヘンリー2世。
前作同様、魅力的な男性に描かれているのは、作者のお気に入りだからみたいです。
更に、今作では、私が期待していた(!)ヘンリー2世妃アリエノール・ダキテーヌも出てきます。
日本での知名度はいま一つですが、
父親からの相続でフランスの三分の一を有した女大領主であり、フランス王ルイ7世の最初の妃。
十字軍にも同行したルイ7世と離婚した直後に、11歳年下のイングランド王ヘンリー2世と電撃結婚。
しかし、晩年は息子達とともに、王に離反します。その際には元夫ルイ7世の支援を受けて...
という、夫に負けない強烈な女性!
特にお気に入りの息子は、獅子王リチャードですしね(本作には登場しませんが)。
登場シーンは少なからずだったのですが、この女傑にもう少し活躍してほしかったなというのは贅沢でしょうか(笑)
そして、前作の主な脇役はほとんど出てきますが、会話の中に登場するだけで姿を見せなかった人物もいます。
次作以降での登場を楽しみにしています。