生きていれば誰にだってやってくる10代だが誰かと同じ10代を歩む人なんてひとりもいない。
私にも10代は来た、青い春などとは程遠い10代だったが・・・。
そのためか反発なのか青春小説というカテゴリーの本をよく手にする。この本もなにげなく手に取った一冊だった。はっきりいって読む前は著者の処女作であるしミニバイクレースという見慣れない題材だったため期待はあまりしていなかった。が、読んで見るとなかなか目が離せない。
タイトルにも書いたが『青春の幕の内弁当』なのである。つまりほしいものが適度にありくどすぎる事がなくバランスがいい。
青春小説にほしいものは人それぞれ違うと思うが私の好みに見事にヒットした。10代では体験したことのない初めての挫折、まだまだ自分の感情を表現できないもどかしさ、オレンジデイズ(甘酸っぱい恋愛の日々)、そして伝説へ・・・。
よくあるテーマといえばそうだが著者の文章力なのかこれが飽きさせない。
ミニバイクレースというあまり世間に浸透していない題材もややもすれば独りよがりになるがこれもそんなことはない。レースの臨場感、雰囲気、またミニバイクレースの概要がすんなり頭に入ってくる。ミニバイクレースという題材で購入をためらった人がいるとすればそれはいらない心配である。
いろいろ御託を並べたがなにが言いたいかというとこの本はおもしろい。
青春小説が好きな人もあまり読むことがない人の入門書としても買って損はない。
星を4にした理由は著者がもしこのレビューを見て満足してもらっては困るからだ。この著者「郁子匠」にはまだまだ書いてもらわねばならない。それにこの本の続きがあるとしたら著者の頭の中だけにあるのはずるい。