原作はビクトル・ユーゴの長編小説だが、私が子供の頃読んだのは短縮版の「ああ無情」。それでもこの映画よりは内容は多かった気がする。それと細かなところが小説とは微妙に違っていた。例えばジャン・バルジャンが一夜の宿を求めた司教の銀の食器を盗むところとか。
むろん、ジャン・バルジャン役のリーアム・ニーソンや彼を執拗に追い詰めるジャベール警部役のジェフリー・ラッシュの演技はすばらしい。しかし、20年以上の年月を経ているのに、全然年とらないね。
フォンテーヌ、コゼットもよし。難を言えば、マリウス役のハンス・マセソンがあまりにもガキに見えるところか。
正直言って、大河小説の映画化は難しいと思う。原作に忠実にやれば時間がいくらあっても足りないし、ある部分だけ切り取れば確かに深みは増すが、この作品のようにジャン・バルジャンの生涯を描いたものは、その手は使えない。
最近、映画は原則2時間程度におさめることになっているらしい。観客が飽きるからだ。ただ、本作のように内容が膨大なものは例外と認めたら。あの「タイタニック」ですら3時間以上とっているではないか(好きなひとごめんね)。
このキャストと演出でよいからせめて3時間あれば、ある重要人物の死も含めてもう少し詳しく描けたのにと思う。
本当に惜しい。